2009年3月20日金曜日

ベティ・ジェイン

南カリフォルニアからハワイ、南太平洋、またハワイへ、など初期のフリッカで長期クルージングをした艇として良く知られている。













この写真はPSCフリッカの雑誌広告に使われた。その広告は [リーフレット] としても印刷され、ボートショーなどで配られた。クルージングの経路を書いた地図も載っている。

気になるのはマストが真っ直ぐ立っていること。ハルの喫水線を見るとハル自体は設計どおりに水平に浮いている。だがマストは真っ直ぐ、どちらかというとバウ側に1-2度傾いて立っているような印象さえ受ける。

マストの傾きを「レイク」と言うが、通常フリッカのマストはスターン側へ2度程レイクしているのが普通。これにより極くわずかなウェザー・ヘルム(艇が風上に向こうとする)が生まれる。

しかし、ラン、リーチ、クロース・ホルドなど、色々なポイント(風への角度)でセイルする日帰りのデイ・セイリングではなく、カリフォルニアからハワイの太平洋横断など殆ど後ろからの風に押されて進むだけの長距離コースには、セイルに追風を孕ませる意味でこの方が良いのかも知れない。

だがハワイからタヒチへの往復など、ランのコースではないはず。件のリーフレットに、20-25ノットの風の下、ワーキング・ジブとシングル・リーフのメインだけで24時間平均100マイルの距離をカバーした、とあるから、マスト・レイクは余程顕著でない限り、目くじらを立てるほどのことは無いのかも知れない。

(写真はPSC製434艇中、番数艇名未確認、Betty Jane です。)
PSCフリッカの印刷物各種