2009年3月13日金曜日

マスト下のアーチ

このフリッカの名はアニカ。旧名はビッグフット。

フローティング・ドック(パントゥーン・ドック)ではない、固定式のドック。アメリカでは極めて珍しい。



干満の差が激しいところのようだ。ドック・ラインの張り方に気を使うだろう。 さて、本日はこういう風に外からは見えないマスト下のアーチの話。

この件、[以前にも書いた] が、今日2枚のインテリアの写真ではマストからの過重を支えるアーチの厚みがもっとはっきり分かる。


上のリンク先の各写真で分かるように、ファクトリー製フリッカのキャビン天井は昔の車の天井風にビニールのヘッドライナーで覆ってある。

そのビニールが弛んだり、汚れたり、破損したりしたため、この艇のオーナーはファイバーグラスのキャビントップとカバー間のフォーム断熱材、およびカバーそのものを除去してしまった。その後、新しいカバーを貼り付け、木製バトンを使ってそれを固定している。

ファクトリー仕上げでは断熱材と緩めに張ったカバーのためここまではっきりアーチの厚みが分からない。




興しろいのはキャビンの壁も一旦ベアーのファイーバーグラスまではがし、天井と同じ仕上げにしてあること。通常ティーク板などの上張りに隠されているアーチを支える厚板(機能的にはニー、knee)がはっきり見える。

マストからの過重はマスト下のアーチを通り、ニーからサイド・デッキを挟んでバルクヘッドに渡され、ソール(床)へ、さらにハル、キールへと伝えられている。このためフリッカにはキャビン内を突き抜けてキールに直接ステップするマストは不要となっている。

(写真はPSC製434艇中105番目 Annika a.k.a. Bigfoot です。)
フリッカ・ホームページのフリッカ登録データベース