CF8052HTというカリフォルニアの船籍番号が付いているが、背景から判る様にここはパシフィック・ノースウェスト。夏のクルージングのためにトレイラーに乗せてやって来たのだろう。
昆虫の目の様なバウの航海灯から1978~83年前半のハル・モールドによる造船だと分かる。一等アフトのポートライトが大ではなくこの様に特大になっているのもこの時期のフリッカの特徴。(この特大ポートは通常開閉型ではなく締め切り型。)
それにしてもなぜムーアリング・ボールを吊り上げたのだろう。
ボールの下に見える大きいチェインのサイズはこれがこの係留地にある常設アンカーであることを示している。ボール下部は藻で汚れている。ボールはいつも水に浮いているに違いない。
背景のショア(岸)に残されたハイ・ウォーターマーク(満潮時の水のレベル)からこの写真撮影時にはかなり潮が引いていた様だ。しかし艇もボールも潮の干満で等しく上下する。潮の干満で違いが出るのはボール下に繋がれているチェインの海中に伸びている部分の長さ(それが満潮で長くなると海底に横たわっているチェインの量は少なくなる)だけだ。
この写真撮影のためにわざとやったとは考え難い。係留時にボール天辺のリングに通した係留ラインをボールが海面を離れたことも知らず引き続けたのではないだろうか。ラインがタウトになって(ピンと張って)直立し、やっとフォアデッキのクリートに留めたと考えられる。ラインに余裕を持たせるのが普通の姿( [例] )だが、このボールがショアに近いという気持ちがスキッパーにこういう行動を取らせたのかも知れない。
(写真はPSC製434艇中、番数・艇名共不詳のフリッカです。* 後日註: この艇は [Isha] = リンク先2枚目の写真 = である事が判明。)
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