ジェルコートのタッチアップを行うのは今回が初めて。先ず練習の積もりで比較的フラットでエリアの小さいターゲットを3箇所選んで手順をさらってみた。
左舷バルクヘッドの孔を白色ジェルで埋めておいた場所。
(バルクヘッドには艇購入時整理袋を吊り下げるためのボタンがネジで留めてあったが、これはそれを取り去った跡。)
孔及びその周辺をきれいに清掃して乾燥させ、紙テープで周りを防護し、色調整したジェルに適量の固化促進剤を入れて良く混ぜ合わせ、ターゲットの場所にヘラで塗り、その上から透明なビニール・フィルムを被せる。
ジェルとフィルムの間にエアーが残らない様、完全にエアー抜きしたところ。
註:フィルムは手当て箇所を完全に密着カバーできれば良い。この様に大袈裟にカバーする事は全く無用。またフィルムの端を所々紙テープで留めることも不要。
1時間半後フィルムを剥がす。
(固化促進剤は説明書に沿って色調整して作ったジェルを1時間で固化出来る量を混入したが、念のため1時間半後に剥がした。)
周りの紙テープを剥がしたところ。
まるで厚さ1mm弱のビニール・テープでも貼り付けた様に見える。
これで終りではない。時間が無かったので切り上げたが今週末サンディングやバフィングで周辺に馴染む様に仕上げる。
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こちらはキャビントップのスターボード側。
画面中央少し下、真ん中に一筋ジェルが剥がれた箇所があり、その周りを円形の細いクラック(裂け目)が囲っている。
ターゲットと周辺をクリーニングし、紙テープで囲う。
ジェルを塗り込みフィルムで密着カバー。
1時間半後フィルムを剥がす。
周りの紙テープも剥がしたところ。
ここもこれで終りではない。今週末サンディングやバフィングで仕上げる。
教訓:プロのビデオなどでも言われているが、ジェルは手当て箇所に少し盛り上げる感じで大目に置いて行くのが良い。この様な全くの平面ではなく丸みを帯びた場所では特にヘラ使いに充分注意して擦り取り過ぎない様にすることが大事だ。この例ではフィルムを被せる前、プラスティックのヘラでジェルを平面に均しすぎた。このためフィルムを剥がした後もジェルコートが落ちていた部分がまだ一筋うっすらと見える。(ジェルを多少盛り上がった様に固化させ、サンディングで徐々に均し、バフィングで仕上げるのがコツ。)
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トライアル3箇所目。
一時期エンジン・ダッシボード下に付けていたインクリノメーター装着用の木ネジの穴跡2個。
ここも白いジェルコートで埋めていた。
ジェルを塗りフィルムで密着カバー。
一時間半後フィルムを剥がしたところ。
ここも未だサンディングやバフィングが待っているが今のところ色的にはここが一等マッチしている様だ。
今回のトライアルでは手順に慣れることが主目的で3箇所とも同じミックスのジェルを使うことにし、程々の色で良しとして塗布したが、プロは当然ながら1箇所ごとに色調整のミックス+固化促進剤混入をしながら仕事を進める。
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尚、大きい箇所にジェルやPVA(液体)をブラシで塗布するプロのテクニックは [こちら] 。
(写真はPSC製434艇中295番 Serenity です。)
⇒ フリッカ・ホームページ