
しかしキャビントップは異なる。まず先週触れたスライディング・ハッチを格納するシーフッド。1983年後半以降の新型デッキ・モールドによるファクトリー仕様ではシーフッドはスライディング・ハッチのトラック(レイル)を全てカバーする形で装着されているが、この艇では6インチ(15cm)程出した状態で設置。

また旧型艇のスライディング・ハッチにはアスワートシップ(艇を横切る形)に高いブリッジが2箇所仕込まれており、新型艇のシーフッドには納められない。この艇ではシーフッドを付けた際、ハッチも新型のものに換装したと思われる。
写真をクリックして拡大すると分かるが、両舷ともハッチ横にスプレイ避けのティーク製バーが斜めに仕込んで在る。シーフッドの後端がこのバーとイン・ラインになる様にシーフッドの位置を決めたのだろう。またトラック(レイル)外枠トップに被せたティーク・レイルもトラック(レイル)の前端まで届かず両舷スプレイ避けのところでカットされている。

キャビントップの各ブロックも夫々独立しており、所謂オーガナイザー・タイプのものとは異なる。

上から2番目の写真で分かる様に右舷側にはウィンチもあり、ラインも2本取れる様になっている。メインとジブの各ハルヤードが右舷側に引かれることは明らかだ。
(写真はPSC製434艇中、番数・艇名不詳、1983年製のフリッカです。)
⇒ フリッカ・データベース