2008年11月15日土曜日

シングルハンダーズ・パッケージ

PSC製フリッカには 『シングルハンダーズ・パッケージ』 なるものがある。ジブ・ハルヤード、ステイスル・ハルヤード、メイン・ハルヤード、+2本のリーフィング・ラインをすべてコックピットまで引いて、シングルハンドしやすいようにする、という仕掛けのことだ。

これがないからと言ってシングルハンドできないことは決してないが、あると便利。

マスト・ステップのオーガナイザー。この艇 『セレ二ティ』 ではスターボード側にブロック3個、ポート側に2個。


スターボード側は手前がメイン・ハルヤード、真ん中白いラインがステイスル・ハルヤード、奥がファースト・リーフのクリングル・ライン。

クリングル・ラインはブーム後端からブーム内を通り、こうしてブーム先端から出てくる。




(尚、カニングハム・ラインはない。リーフ用のアイはブーム先端クリングル・ラインの上に見えるフックにかける。このフックを使わない場合、ブーム先端から出たクリングル・ラインを予めリーフ用アイに通しておき、それからマスト・ステップ・オーガナイザーのブロックへ。これで理論的にはクリングルとカニングハムをコックピットから1本のラインでコントロールできる。これを 『シングル・ライン・リーフィング』 と呼ぶ。しかし実際的にはそうするとラインの運びがスムーズに行かない。アイはフックにかけるのが手早い。)

ブームのアフト・エンドの様子。グリーン・ラインがファースト・リーフのクリングル・ライン、レッド・ラインはセカンド・リーフのクリングル・ライン。



(いろいろ試した結果、リーフ時は水平方向の引っ張りだけをクリングル・ラインに任せ、垂直方向の引っ張りはクリングル/クルー・アイを通してブームに結ぶ約130cmの独立ラインを使用している。)

ポート側のブロック2個。手前はジブ・ハルヤード、奥はセカンド・リーフ・クリングル・ライン。デッキ・オーガナイザーで90度ターンしてコックピット方向へ向かう。



コックピットから見たポート側キャビントップ。内側がセカンド・リーフ・クリングル・ライン、外側がジブ・ハルヤード。ロープ・クラッチが付いているので内側のクリートをハルヤード用として使い、クリングル・ラインはクリートなし、外側のクリートは今アイドルになっている外側のアイを通してきたジブ・リーフ時のジブ・ダウンホル・ライン用として使える。


尚、スターボード側もキャビントップ・ウィンチはひとつだが、ロープ・クラッチが付いていないのでクリートは3本ある。

(写真はいずれもPSC製434艇中295番目 Serenity です。)
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