初期(1977-1983)のPSC製フリッカの中には船外機仕様のものも多い。
この写真と絵は最初から船外機仕様として造られたフリッカで、キールにプロペラ用の切り込み(アパチャー)がない。
ちなみにこちらは1GM10搭載の船内機仕様。
船外機はフルキール艇のフリッカでも後進時の取り回しが楽、安価、メンテが簡単、コックピット下の船内機エンジン・ルームが広い収納として使える、などの長所がありアメリカでは船外機ファンのオーナーたちも多い。
ホンダ9.9、ヤマハ9.9、同T8などのロングシャフトが使われているが、最近では軽量のトーハツ6も好評のようだ。
これら船外機の推進力は1GM10の船内機仕様に優るようで、簡単にハル・スピード(5.7+ノット)に達するという。このパワーは駆動系出力ロスの少なさから来るのか。三枚羽根の効果か。
短所は燃費。また安全な軽油とちがいガソリンは爆発の危険性が高い、船外機はスターンに付けるので艇のトリム(バランス)に影響する、波を超えた時プロペラが海上で空転することがある、使用前後の上げ下げが面倒、スターンに船外機が付いているのは見た目が悪い、などの声もある。
船外機仕様フリッカのコックピット、2例。
両舷のコックピット・シート間にロッカーがある。通常ここに燃料タンクを入れるようだが実際はどうだろう。尚、下の艇はコックピット・ソールが改良された新型。新型は1983年末~84年初頭頃に出たがこの件については明日。
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船外機の燃費については80%出力でガソリンを1時間あたり4リットル(約4クォーツ=1ガロン)消費という記録がある。また艇速5ノットでエコノミー走行すれば時間1.3リットル(1.3クォーツ)、トーハツ6なら1リットル(1クォート)という話もある。一方、船内機1GM10の軽油消費量は2500rpmの経済走行で時間0.65リットル(0.65クォート)ほど。
(絵はPSCのフリッカ広告の絵。写真は上からPSC製434艇中053番目 Lil' Toot、433番目 Ballo Liscio、2枚続きで番数艇名未確認の1978年製、および番数未確認 Jesse Ann です。)
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