2008年11月14日金曜日

シー・アンカー

外洋での嵐対策いわゆるストーム・タクティックとして最も良く実行される方法にヒーブ・ツーとライング・アハルがある。後者ではベア・ポール、つまりセイルは全部降ろしてハルだけで嵐の通過を待つ。いずれの方法でも艇を安定させるためシー・アンカーをウェザー(風上)の海に流す場合が多い。

これは 『パール(フライト・オブ・イヤーズから改名)』 のシー・アンカーのセット。







いつでも使用できるようにパラシュート・アンカー、ライン、そして回収用フロート(浮き)が一式、きちんと畳まれバッグに入っている。バウ・クリートとコックピット・ウィンチから取ったライン(ブライドル)から展開し、バウが波に対してヘッド・オンではなく斜めに向くようにする。

(注:フリッカのようなフル・キール艇ではこのように展開するが、フィン・キール艇では艇のスターンから展開するのが良いという。)

これはバウ・クリートからのラインをリードする専用チョックの拡大写真。上の写真で分かるように左上のレールに近いところに設置されている。




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シー・アンカーにはパラシュート式、コーン式などがあるが、前者でフリッカ・オーナーたちに信頼されているのが 『フィオレンティーノ』 ブランドの [パラ・アンカー]。上の写真のシー・アンカーもこれだ。

ただアメリカのコースト・ガードのテスト結果によると小さなドローグをラインにシリーズでつないだ連続ドローグ式のものをスターンから展開するのが最も効果的という。
[コースト・ガードのテスト]

特に大きい波がくずれるいわゆるブレイキング・ウェイブの時にはこのタイプでないと、いかなシー・アンカーでも波による艇の転覆を防げないという。

このビデオの艇はいずれのタイプのシー・アンカーも打っていないようだ。大きなブレイキング・ウェイブの力は圧倒的だ。
[ブレイキング・ウェイブによる転覆]

連続ドローグ式ではジョーダン・シリーズ・ドローグが知られている。ベアー・ポール艇のスターンから流す。直径5インチのドローグを100-200ヶ、ラインにノットで固定してある。
[ジョーダン・シリーズ・ドローグ]

(写真はいずれもPSC製434艇中、最後の434番目 Pearl、旧名Flight of Years、です。)
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