1978年4月、パシフィック・シークラフト(PSC) 製フリッカ第1号が南カリフォルニアのニューポート・ビーチで進水した。
デザイナー、ブルース・ビンガムが撮影したハル#1。*
大人6人が乗っている。ブルースは当初僚艇のPSCマリアからフリッカの帆走を観察、撮影、後でフリッカのクルー一人と交替する形でフリッカに乗艇した。
ヘッスルにフリッカと大書きしてあるのはPSCの創始者・社長ヘンリー・モーシラットのアイデア。かなり宣伝になったらしい。
しかし、宣伝自体は [前年の77年から始め]、受注も開始していたので、この時サンタ・アナの工場では既にフリッカ3艇を建造中、バック・オーダーも12艇ほどあったという。
PSCは当時その他、モーシラット設計のPSC25 (1975~) と マリア (1977~) を建造していた。フリッカはPSC3番目のプロダクション・デザインである。
この写真は同日のPSCのエンジニア、ビル・ルーサー。
ビンガムがサンタ・バーバラで設計事務所を持っていた時の製図担当で、PSCとビンガム間のフリッカ建造のライセンス契約、およびノー'スターからのフリッカ・ハルのモールド購入を取りまとめた。
バウスプリット、プラットフォームなどを含む、PSCフリッカのデッキの全て、さらにキャビン内を設計したのもビルである。PSCフリッカの成功はビルに負うところが大きい。
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* 後日註 : PSCはこれに先立ち、ハル・モールドをノー’スターから引き継いでフリッカの生産を始めた。その意味で本当のPSC製1号艇は [このリンク先の艇] である。従って正式には表題の#001は間違い。本日の写真の艇の実際のハル番号は不詳。
(写真はPSC製434艇中PSC製モールドを使った第1番のフリッカです。)
⇒ 『フリッカ・フレンズ』 ニューズレター、22~26ページ参照