このフリッカ、アイリッシ・ペニーは初代オーナーが1990年パシフィック・シークラフトに注文し購入して以来20年間人手に渡ることなく、毎年夏のシーズンにメイン州沿岸をセイリングして来た。
ニュー・イングランドの冬は厳しい。オフ・シーズンになると自宅の庭に上架、風雨風雪から守るためターポリン (略してタープ、日本では青が多いのでブルー・シートと呼んでいる) でカバーしていた。デッキ上に見える長い尾根のようなものがタープのサポート。
フォアデッキ部分のサポートの脚の拡大。
このフリッカはエレクトロニクスも揃っている。
デッキ右舷に倒してあるのはポール・マウントのフルノのレイダー。
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20年の歳月を経て初めて売りに出されるフリッカはそう多くない。(註: ただし長年初代オーナーのまま、というフリッカもまだまだいるはず。例えば1980年製 #137 Willa のオリジナル・オーナー、ボブは今年30年目のシーズンをニューヨークのロング・アイランドで楽しんでいる。)
名前の Irish Penny は無論アイルランドの硬貨のことだが、アイルランド系オーナーの小さなボート(ペニー = 小さい)という意味以外に、Irish Penny でネット検索すると分かるように、アイルランドでは幸運を呼ぶコインとしても知られている。
この艇で幸せを掴む次のオーナーは誰だろう。
(写真はいずれもPSC製434艇中、番数不明、1990年製 Irish Penny です。)
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