アイリッシ・ペニーの内部はオリジナル・オーナーが20年間愛情をこめてケアーしてきただけあって、実にきれいだ。
Vバースのクッションと収納スペースの蓋を外したところ。
一等奥には12ガロンの燃料(軽油)タンク。このタンクの底部を含め、全てのコンパートメントの底部は船底の形をそのまま反映している。
真ん中の開口部ふたつのコンパートメントはひとつのV字型空間。その手前、各舷に一つづつ、底が斜めになったコンパートメント (右舷のものは日光が当たっているため見づらい) がある。
ギャリーもソール(床)もきれいだ。
ギャリーは奥からアイスボックス、シンク、2口コンロ。
90年代のフリッカの配電盤はバルクヘッド搭載。
その下は VHF。
スウィングアウトの上はレイダー・ディスプレイ、下はGPSチャート・プロッター。
スウィングアウトはヘッド・ドアの横に装着、または左舷のバルクヘッドに装着したものが殆どだが、この艇ではセッティー(長椅子)に面した、ヘッド前方のバルクヘッドに付けてある。珍しい。
***
下の写真はエンジン・コンパートメント前、コンパニオンウェイ下のビルジ。 ビルジ (キールの内側) に水は一滴もない。(もっとスターン方向に行くと分からないが、そこも恐らくドライだろう。) きれいなものだ。
画面左上の小型スルーハル・シーコックは取水用。T字配管の左側はヘッド洗浄水、右側はエンジン冷却水を供給。
エンジン冷却水用はエルボーで曲げて画面中央下のストレイナー(ろ過器)を通り、さらにエルボーで画面上のエンジン方向へ導かれ、エンジン本体の取水ポンプ(インペラのある部屋)につながっている。
画面左右から降りて来ている黒い太いホースはコックピットからの排水用。クロスして左右それぞれのシーコックから艇外へ出る。
通常コックピット排水用シーコックのハンドルはこのようにオープンの位置にしておく。取水用は非使用時には閉じておく。
ヤンマー 1GM10。マウントを始め、各所に赤錆がある。
機能的には問題ないと思うが、一度降ろしてペイントをプライマーからやり直す時期かも知れない。
ヘッド。スルーハルのシーコックからの水は画面左上のコックを通って右手前の手動ポンプに入る。
黄色いコック・ハンドルのあるコの字型を横にした形の管の上部は、艇が水平に落ち着いている時、艇の外の海面のレベルより上に出る位置に設定してある。
ブロンズ製の管と下の黒いホースの接合部あたりが海面のレベル。
(写真はいずれもPSC製434艇中、番数不明、1990年製 Irish Penny です。)
⇒ www.yachtworld.com キーワード欄にFlickaと入れてサーチ・ボタンをクリック。