2014年9月28日日曜日

セレニティー エンジン・メインテナンス 冷却水パンプ・インペラの点検

前回のインペラ交換から3年9ヶ月、運転時間は約159時間を経過した。初回は1年半(運転159時間)で交換、その次(前回)は3年5ヶ月(運転199時間)で交換しているので、今回もちょうど良い交換時期と考えてメンテを実行。

スピード・シールの緑青が少し多くなっただけで見かけは[前回の写真] と殆ど変わらない。





右2本のネジを外し、左上1本は緩めただけでスピード・シールを外す。

(ネジは今回も当初手では動かず、ネジ頭に布を被せプライヤーでグイと緩めた。)










清掃したスピード・シール内面と新(画面右)旧(同左)のインペラ。







前回は [頭が三角に擦れたヒレ先が4個] あったが、今回はその様な顕著な磨耗は見られない。ただ、手で触ると分かるが各ヒレがヘタって曲がりやすくなって来ている。実際回転を反映して少し斜めになっているヒレが多い。

周知の様にヤンマーは1000時間毎または毎年のインペラ交換を指定している。漁船などは運転時間を尺度に出来るだろうが、運転日数・運転時間の少ないセイルボートの場合はやはり暦を基準にしようと考えるのが普通かも知れない。

また自分なりに両尺度のバランスを取って、2~3年に一度交換しているというセイラーも少なくないだろう。


セレニティーでも2~4年毎(運転最高200時間で一度)交換と、自分で適当に決めて交換して来た。

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さて上から2枚目の写真を拡大すると分かるが今回カバーを開けた時、羽根は全て本来の向きとは逆方向を向いてしまっていた。無論装着時は [指定通りの向き] にしてあった。

[以前にも書いた] 様に(リンク先写真5枚目下の記述参照)、新インペラの羽根を正規の向きにセットして運転開始後僅か1時間で6枚中5枚が既に反対方向を向いていたことも確認している。なぜだろう。


すぐ変わってしまうのなら最初からその様にセットしておけば良いではないか。それにその方向に落ち着くのはそれが一等運転しやすい形だからではないのか。という訳で今回は敢えて最初からこの向きでセットした。

カバーを閉めて出来上がり。この後試運転を20分。

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さてさてインペラを新品に換えると必ずポンプのウィープ・ホールからの水漏れが激しくなる。([こちら] を参照。)

今回も試運転で水漏れが目に見えて増えたのを確認。



カバーのネジを補助的にプライヤーを使ってきつく締めたのが原因でインペラが余分に圧縮されているのだろうと考え、ネジ3本を緩め、道具は使わず素手で締められる限り締めるだけにして再度試運転したところ水漏れは確かに減った。さらに新インペラの代わりにこれまでのインペラ(上の3枚目の写真、画面左側)を戻して入れ(羽根の向きは既に癖の付いた方向=上2枚目、5枚目の写真と同方向)、カバーのネジを手締めした後、再々試運転をしたところ、水漏れは殆ど無い。排気・排水状況も良好。

どうやらインペラのマイクロン・レベルの寸法の違いや素材の硬軟が、ポンプ・シールの磨耗・疲労とは関係なく、ウィープ・ホールからの水漏れ量に直接影響している様だ。

というところでこの日のエンジン・メンテは時間切れとなった。このまま約160時間使用の現インペラをもう少し使い続けてみようと思う。ポンプのシール交換もしない。エンジン始動時には毎回排気・排水の確認をしているので無理はないと思う。あと2~3年(100~150時間)は充分行けるかも知れない。つまり、交換時期の目安を暦基準から運転時間基準へ大幅にシフトしてみようという実験だ。インペラ素材の耐用年数は不詳ながら、インペラ交換は1000時間が推奨標準なのだから、その1/3以下の運転時間300時間は毎回注意を払って運転すれば使用年数6~7年でも決して無謀ではないのではと思う。経過は適宜報告する。(ポンプ・シール交換も然り。)

(写真はPSC製434艇中295番 Serenity です。)
フリッカのスペック