2014年5月1日木曜日

#360 トトロ コックピット・ハッチの修繕・修復 1

トトロは現オーナーM氏の所有となる随分前からコックピット・ソール(床)にあるエンジン・ルームへのアクセス用ハッチの具合が悪くなっていた。

四隅のハッチのボルト孔の周りから水が浸入、ファイバーグラス製ハッチ積層の際中心部に入れてある合板のコアが含水でブヨブヨになり、ハッチ上に乗るとふわふわし、ボルト孔部から黒い水が滲み出る程だったそうだ。(註:デッキは合板のコア入り積層、ハルは合板コアを入れないファイバーグラスだけの積層になっている。)

M氏は購入後早速(2010年初頭)宮崎県の知り合いのファイバーグラス積層成型のプロに修理を依頼された。これはその時の貴重な記録。

作業前に水を含んだハッチ全体の重さを測定。13.2
kg。








この写真を見る限りネジの締め付け過ぎ(オーバー・タイトニング)でネジ穴部が破損してしまったのが浸水の原因ではないかと想像される。そもそもネジ孔はこんなに大きくないが、これは修理作業の前に原因究明のために拡大されたのだろう。

裏側。













黒いテープ状のものはハッチ周りから水がエンジン・ルームに落ちるのを防ぐのが目的のハッチとソール間の隙間を塞ぐウェザー・ストリップ(パッキン)。外周部には装着せず内周部だけに貼り付けている艇が殆どで、この様に二重にした他例を見たことはない。

(写真はPSC製434艇中360番目 Totoro の品物です。)
フリッカの歴史 (History of the Flicka)