2014年5月10日土曜日

#156 リダックスの燃料タンク

メイン州のフリッカ、リダックスのオーナーはVバース下の燃料タンクを除去し、代わりにコックピット・ソールの下、エンジン・ルーム中のスターン部分に特製のポリエチレン・タンクを設置したそうだ。

燃料注入口はポートサイドに開けた。

これは工事中の様子で、完成写真はない。

今日の写真は全てUSフリッカ・グループに投稿されたもの。残りの4枚は本人によるキャプションは皆無に等しく天地左右さえはっきりしないものが多かったが、できるだけ理解すべく努力してみた。




上に付いている赤いストライプの入った管は左舷側の注入口からの燃料ライン。







左の四角いグレーのものが容量9ガロンの燃料タンク。手前のグレーの管はコックピットからの排水管。トランサムの喫水線のすぐ上から排出される。(この艇は1980年製。)

右下に向かってスルーハルに繋がっている黒い管は排気・排水管のエンドと思われる。喫水下のスルーハルにはシーコックを付けるべきだが、そこにシーコックは見られない。無論この位置では手も届かない。管はダブル・クランプで留めてあるとは言え、排気・排水口は喫水線より上のトランサムに付けた方が安全だ。(また排気・排水管はスルーハルに装着する前にトランサムとスターンの間の空間を利用して喫水よりもずっと高く登らせたループを取り入れて追波などに因る潮の逆流を防ぐべきだがその工夫はなされていない。)

これは同じポートサイドから見たタンクのフォアワード(エンジン側)のエンド。






青いストライプの入っている太い管は排気・排水管。そのすぐ下にエンジンからの燃料リターン・ラインらしきもの(奥の金具の付いた管)、並びにタンクのヴェント・ラインらしきもの(手前の金具の付いた管)が平行して見える。

STBサイドからエンジン・ルームを見たところ。

画面左上隅、かろうじて見えるのが付けたばかりの燃料タンク。



エンジンはヤンマーの14馬力だそうだ。2GM20が16馬力なのでこれはシリンダーがボア・アップされる前の2GMなのだろうか。タンクの前にある黒いものはウォーターロック・マフラーと思われる。シャフト・シールはPSSのドリップレス・タイプなのだろうが、これだけ周りを造り込んでしまうとアクセスが甚だ宜しくない。

尚、エンジンの位置は1GM/1GM10 等スタンダード・エンジンの設置場所よりフォア方向へ12"(30cm)も移動してあるという。前部がキャビンに突き出し、コンパニオンウェイの梯子等も改造しているのだろう。

奥のタンクのクロースアップ。

画面右の管はウォーターロックからの排気・排水管。





今日の写真ではエンジンへの燃料供給ライン(通常低い位置から出る)は見られない。

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確かに燃料タンクが此処にあると外付け燃料ポンプは不要になるかも知れないが、ここまでしてVバース下のスペースを開ける必要があるのかは大変疑問だ。

(写真はPSC製434艇中156番目 Redux です。)
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