PSC製フリッカ最後の434番艇の細部。
2007年、Flight of Years という名前だった頃、世界一周をするということで色々な装備が施された艇だ。
室内から外の様子が見える様に差し板の1枚はプレキシグラスに変えられた。
ロック(錠前)の位置はファクトリー設定だろうが、オフ・センターになったのはいつからだろう。
コックピット・ソールに置かれたティークのグレイティングはファクトリー・オプションの様だが、少しの水なら下に流れるので足も濡れず快適。
生地のままや塗っているものがティーク・オイル(と呼ばれるミネラル・オイル)なら濡れても滑らず安全だ。
シート・クッションも有ると無しでは長時間の帆走では疲労が違う。
これは2007年の準備のひとつ、バギーリンクル。
スプレッダー・エンド、及びその周辺のシュラウドにメインスル、及びジェノアなど大判のヘッスルが擦れてセイルが傷むのを防止する目的で付けてある。
[バギーリンクル] は昔、帆船時代、寿命に達した古い麻のロープを解いて繊維を程良い長さにカットして連ね、麻布のセイルの当たるスタンディング・リギングに巻きつけたもの。これが羊毛の様に柔らかいクッションとなり、リギングとの摩擦でセイルに孔が開くのを防いだ。
今ではスプレッダー・エンドにスプレッダー・ブーツと言うゴム製品を被せたり、同箇所をセイル・クロース(生地)でラップしたり、セイル自体にスプレッダー・パッチと呼ばれるパッチを付けて擦れてもセイルが簡単に傷まない様にするのが一般的だが、バギーリンクルが作れるようだったらこの434番艇の様にしてみるのも興しろい。
(写真はPSC製434艇中434番目 Pearl、旧名 Flight of Years, Morgan Le Fay です。)
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