2008年10月27日月曜日

セルフ・テンディング・ジブ

名前のとおり、この仕掛けのジブは原則、タックする時、人手がいらない。メインスルと同様に自分でタックする。ジャイブの時も手放し。

このジブには
1.クラブと呼ぶブームがついている(Club-footed Jib)。
2.シートはメイン同様に1本。

多くのカッター・リグの艇ではこのシステムをジブではなくステイスル(イナー・ジブ)に使っている。この艇 『セレニティ』 も元々カッター・リグで同システムのステイスルが付いていた。そのステイスルのシステムを取り外し、新しくジブ用の長いブームをつくり、ジブをフィットさせた。


(ステイスルは今ではラフにワイヤーが入ったものを必要時だけ張る。ただセイル面積がこのジブにリーフを入れた時とほぼ同等なのでステイスルを使うことは殆どない。)










グースネック。

 







ブーム・エンド。










シートとトラヴェラー。


ホースと呼ばれるステンレス製パイプのトラックをブロック(白い滑車が見えるだろうか)の付いたシャックルが走る。

シャックルにボーリンで結んだシート(左)はブームへ上り、ブームから降りてきたシート(中)がブロックを通り、さらにスタンチョン上のリード・ブロックを通ってコックピット・ウィンチへ。(ブーム側はブロックひとつで良い。)

実際ジャイブの時は一切人手は不要。タック時は条件が良ければ(風強く波弱い)充分セルフでタックする。タック時はオーバー・シートしないのがコツ。困難な状況では普通のジブと同様、シートの解放・引き込みを行うとスムーズにタックする。ただしシートは1本なので作業は思うより簡単。ジブにブームがついているのでセイルがバタつくこともない。ジブが長持ちする。

  * * *

最近の艇にはギャリー・ホイト(Garry Hoyt)デザインのブームを装着したものもある(非ハンク式ジブでもOK)。
www.garryhoyt.com ビデオがある。
Forespar 後付け可。購入先。
Alerion--Express どの艇でも適当にクリック。

(写真はいずれもPSC製434艇中295番目 Serenity です。)
Flicka20_Japan