ハンク式ジブを手早く降ろす仕組み。
ハルヤードがコックピットまで引いてある場合、ダウシング・ラインを付けてコックピットまで延ばすと、ジブをコックピットから素早く降ろすことができる。無論セイルを畳んでタイ、または外す作業はフォアデッキに出向かなくてはならない。
仕掛けはシンプル。セイルのヘッドにダウシング・ラインをボーリンで結ぶ。
ダウシング・ラインは当然フォアステイに沿って下へ引かないとセイルがうまく降りない。よって、フォアステイの足元にブロックを付け、そこにラインを通す。
そこから先は艇によって都合の良い経路を選べば良い。フリッカにはバウスプリットがあるから、この艇 『セレニティー』 ではその根元(手前)の端にもリード・ブロックを付けた。
ラインはさらにスタンションのシーブを通って後ろへ。
ハルヤードを解放してダウシング・ラインを引くと、ジブが降りる。コックピットから降ろせるから荒れた海では良いだろう。
しかし細かいことだがジブを揚げる前にダウシング・ラインを解放しなければならないなど、言ってみれば余計な作業が増える。ジブを含めフリッカのセイルはどれも驚くほど小さい。コックピットからフォアデッキは目と鼻の先。この仕掛け、フリッカのような小型艇には無用と思う。セレニティーでも取り外した。
(写真はいずれもPSC製434艇中295番目 Serenity です。)
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