このフリッカはノー’スター製でもPSC製でもない。広い意味で自作艇としよう。(プロに頼んで造ってもらったものかもしれない。) *
スーパーストラクチャー(デッキより上に造られたものの総称)は通常のキャビン型ではない。この型はパイロットハウスと呼ばれるもので、機帆走を常とする 「モーター・セイラー」 に付いているものだ。
風、雨、雪などを避けるのが一番の目的で、寒い地方の艇に多い。
フリッカは20フィート艇でも、ビーム(船幅)は最大8フィートもあるため、パイロットハウスが乗っても全体の見た目のバランスは取れる。
この艇はカナダ五大湖地方のものだが、ほぼ同じ地域に後でパイロットハウスを付けた [パワーボートのフリッカ] がある。
本日の艇は最初からモーター・セイラーとして造ったものなので、その分、収まりが良い。エンジンはボルボ・ペンタ MD1B 一気筒 10馬力のディーゼルだそうだ。
マストは通常のフリッカ同様、ハウストップ・ステップ。
天井を突き抜け、キャビンソール(床)も抜けて、キールにステップさせる方式ではない。
ハウストップのキャンバー(アーチの反り具合)は緩く、とてもマストの重量を支えられない。そのためマスト直下のキャビン内に木の柱(コンプレッション・ポスト)を仕込んであるそうだ。
* 後日註: この艇は2013年3月、Yachtworld で Nor'Star 製として売りに出された。
(写真はいずれもカナダのフリッカ White Dolphin です。)
⇒ フリッカ・ホームページ、売りに出ているフリッカの一覧