2009年8月1日土曜日

パイロットハウスのフリッカ

このフリッカはノー’スター製でもPSC製でもない。広い意味で自作艇としよう。(プロに頼んで造ってもらったものかもしれない。)

スーパーストラクチャー(デッキより上に造られたものの総称)は通常のキャビン型ではない。この型はパイロットハウスと呼ばれるもので、機帆走を常とする 「モーター・セイラー」 に付いているものだ。

風、雨、雪などを避けるのが一番の目的で、寒い地方の艇に多い。

フリッカは20フィート艇でも、ビーム(船幅)は最大8フィートもあるため、パイロットハウスが乗っても全体の見た目のバランスは取れる。


この艇はカナダ五大湖地方のものだが、ほぼ同じ地域に後でパイロットハウスを付けた [パワーボートのフリッカ] がある。

本日の艇は最初からモーター・セイラーとして造ったものなので、その分、収まりが良い。エンジンはボルボ・ペンタ MD1B 一気筒 10馬力のディーゼルだそうだ。

マストは通常のフリッカ同様、ハウストップ・ステップ。









天井を突き抜け、キャビンソール(床)も抜けて、キールにステップさせる方式ではない。

ハウストップのキャンバー(アーチの反り具合)は緩く、とてもマストの重量を支えられない。そのためマスト直下のキャビン内に木の柱(コンプレッション・ポスト)を仕込んであるそうだ。

後日註: この艇は2013年3月、Yachtworld で Nor'Star 製として売りに出された。

(写真はいずれもカナダのフリッカ White Dolphin です。)
フリッカ・ホームページ、売りに出ているフリッカの一覧