今週は休みを取ったのでベイ・クルーズを楽しんだ。
一日目、ティラー(舵棒)がスポスポ状態になった。少し引いて見ると簡単に抜けてしまった。
この写真は取り敢えず、テグスとダック・テープで剥離した合板を元通り組み合わせた状態。これでなんとか持った。見ての通り孔の後ろ部分の板は落ちて不明のため空いている(人差し指の先の部分)。写真はクリックすると拡大。
クルーズ後、マリーナにてティラーの交換をする。この写真はテグスとダック・テープを外したところ。合板の剥離がまざまざ。
25年の歳月、と言えばそれまでだが、原因は雨や清掃時のホースからの水。
この剥離したティラーはどうも2本目。左側にあるのはスペアとして取ってあった新艇時に付いてきたオリジナル。
先々代のオーナーが、約2インチ(5cm)長いこの2本目に取り替えた際、市販のもの(おそらくJ24用)を買って来て、フリッカのラダーの左右のチーク(頬板)の間にフィットさせる時、少し細くする必要があり、そのため両サイドを削り落としたらしい。
削った部分の木はニスなど塗らず、むき出しのまま。ティラーにかかった水は根元の方、つまりこのむき出しの部分に溜まる。そこで年月とともに剥離が起きた、ということだろう。左側のオリジナルのものは削って幅を調整する必要はなく、ニスが塗られたままフィットする。
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ティラーの交換は簡単、しかも割りと安く手に入る。問題は下の写真にある右舷のチーク(cheek、頬板)。このユニークな形に仕上げたチークの素材は多分オレゴン・パイン材。ティーク(teak)材とちがい、ニスなどの保護膜をつけてやらないと腐り安い。
左舷のチークは全く無事だが、この右舷のチークが2箇所腐ってボロボロになっていた。
ちょうどこの人差し指の上のあたり、そしてその左のティラー留めのボルトを通す穴のあたり。いずれも外側はまだだいじょうぶだが、内側が下の写真のとおり。
良く見ると、およそティラーの擦れる部分に沿っている。
ティラー上部が何かの理由でわずかながら右舷側に傾いていた、もしくは係留時に艇全体が右舷側にわずかながら傾いていることが多かった、などが原因でティラーと右舷のチークの間に水が溜まって腐食の原因となったらしい。どういう訳か、チークの内側もニス塗りは無く、生地がむき出しのまま。
下の写真、腐っている部分を穿り出し、そこにファイバーグラスのネットを積層しながらレジンで固め、木の表面部分にもファイバーグラスのネットを広く幾方向にも重ねてレジンで固めた、臨時処理。見てくれは悪いが強度は十分。
この冬(オフ・シーズン)、ティーク材で新品のラダー・チークを1セット作って交換する予定。あと2~3ヶ月はこれで頑張ってもらう。
所定の時間を過ぎて固まったところで、良品のオリジナルのティラーを装着して手当ては完了。
良きパートナーのワイフがセイルカバーなどに使われるサンブレラの布地でこのラダーの上部を覆うカバーを作ってくれることになった。
(写真はいずれもPSC製434艇中295番目 Serenity です。)
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