2009年4月16日木曜日

自作艇、ピノッキオ

南アフリカで1988年から92年まで4年かけて造られたフリッカ。

ペイントした艇名のピノッキオが良く似合っている。その上、ブルワークスにはフリッカのシンボルのスクロールも。



デッキはティーク張り、その他の木部もすべてティークのようだが、スパー(マストとブーム)の素材はオレゴン・パイン(ダグラス・ファーとも呼ぶ)という木。

開閉式正円形ポート2個と一番後ろの締め切り型大型ポートのバランスも興しろい。室内も明るいはず。

通常彫り込みのラインがペイントしてある位の高さに、バウからスターンまでラブ・ストレイクが組み込んである。木造船を擬したうまい造り。


ウィスカー・ステイの長さに注目。PSC製フリッカの1.5フィートくらい後ろまで伸びている。ここまで引っ張れるということは、おそらくバウスプリットもPSC製より2フィートくらいは長いのだろう。(ピノッキオの名の由来かも。)かなりソールティーなルックスになっているはず。全体の見える写真がないのが惜しい。

スーパーストラクチャー(キャビン)にも大きな特徴がある。側壁の角度。うまい具合に後ろに行くほど緩くしてあり、小気味良いラインで仕上がっている。艇全体のバランスも良い。

キャビンサイドの角度やサイドデッキとうまくマッチさせたコックピット・コーミングの形が機能的で美しい。





サイドデッキはビンガムのオリジナル・デザインやノー’スター製同様、PSC製に比べ広く、緩い側壁と合わせ、フォアデッキへのアクセスは楽にちがいない。

写真がちょっとピンボケだが、すばらしい木工だ。コンパニオンウェイ・ハッチやドロップ・ボードもカスタムの味が良く出ている。

ハルはファイバーグラス製とのこと。しかし、もしかしたら木製のハルの両面にファイバーグラスを積層したのかもしれない。鉛のキールはノー’スター製やPSC製と同様、完全にファーバーグラスの積層で覆われており、ハルと一体化してある。

インテリアの写真もないが、ヘッドは個室で、シャワーも完備しているという。チェイン・ロッカーのキャビン側のドアにはティファニーのランプ・シェイドのような鉛とガラスの装飾が嵌め込んであるそうだ。

(写真はいずれも自作フリッカ、1992年進水の Pinocchio です。)
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