2015年9月23日水曜日

福岡のティー・カップ New Suit of Sails

9月22日、福岡のPSC製フリッカ#421、ティー・カップがメイン、ジブ共にニューのセイルで初帆走。

メインにはフリッカのセイル・マークとハル番号421が入ってすがすがしい姿。

ニュー・セイルはすべすべして取り扱い難い面もあるが、何と言っても古いセイルとはパワーが格段に違う。

O オーナーもそれを実感されていることだろう。






両セイルを新調されたきっかけは去る8月24日に福岡に上陸した台風での被害。いつもの台風の様にファーラーで巻いたままのジブをジブ・シートで固めそのジブ・シートも別のラインで固縛していたが、今回は直撃の吹き戻しの強い台風でシートが上部から開きジブが吹流し状態になったと思う間もなくボロボロになってしまったとの事。

ニュー・ジブ(ジェノア)は135%。

今後の台風対策ではジブは必ず外して艇内に仕舞われるとの事。

それにしてもニューのセイルは帆走するにしても脇で見ていても気持ちの良いものです。O さん、写真ありがとうございました。






(尚、[7月に換装] された外付け燃料ポンプも問題なく順調に運転中との事、Smooth Sailing!)

(写真はPSC製434艇中421番目 tea cup です。)

2015年9月20日日曜日

セレニティー Serenity's New Home

9月18日(金)、セレニティーの新しいオーナーが決定。同日10年間居たマリーナを出て、新オーナーと共にサンフランシスコ湾内を南へ約5マイル機走~機帆走。



新オーナーのアンソニーがヘルムを取って南行。SFO (サンフランシスコ空港)を過ぎて直ぐのカヨリ・ポイント・マリーナに向かう。

新オーナー・アンソニーとセレニティーの新しいホーム。おめでとう。







セレニティーもほっとした様子。これからも末永く愛され続けるだろう。








(ビデオおよび写真はPSC製434艇中295番 Serenity です。)

2015年8月30日日曜日

セレニティー 24時間運転のソーラー・ヴェントの交換

前回ソーラー・ヴェントを交換してから約2年半。また寿命が切れた。モーターの回転がだんだん弱くなり、最後に力尽きる。ソーラー・ヴェントは消耗品だ。ウェスト・マリーンは毎年1回この品を約半額のセールにするのでそのセールを待って買うのが良い。

ヴェントが働かないとキャビン内には臭気が溜まる。マリーナに着いたらすぐフォア・ハッチも開けて風通しを良くしなければならない。


交換するのは白いヘッド部分と白い筒だけで良い(白い筒も交換しなくても可だが買うと付いて来るので交換。)

黒いベース部はハッチに接着してあるのでわざわざ交換はしない。








前回まで Nicro のパッケージに入っていたものを買っていたが、今回は Marinco のパッケージ入り。




Marinco が Nicro を買ったらしい。セレニティーのヴェントは孔径3インチのもの。表面はパッケージにあるSSではなく、白いプラスティック。内容物の色とサイズを示すためパッケージ左下のリストの正方形を黄色で塗りつぶしてある。

左は故障した旧品、右が新品。反対側(太陽電池側)にはまだしっかり Nicro の文字が入っている。





新品に入っている電池は充分充電されていない。つまり夜にモーターが止まってしまう。従ってメーカーは通常この写真に見える黒いスイッチをオンにせず、まずソーラー・パネルで2~3日電池を充電することを推奨している。しかしセレニティーでは今回旧品に装着された既に充電済みの電池があるのでそれを入れてすぐにヴェントを運転開始させる。

これは新品に付いて来た充電されていない電池。









旧品に仕込んで有るこの電池を新品に移して使う。









(実はこの電池、数週間前、モーターが壊れているのではなく電池のせいではないかと思って入れ替えてみた品で、決して古い品ではない。)

電池を充電済みのものに入れ替えた後、トップ部分をベース部にネジ3本で留め、作業を完了。





これでまた、キャビン内の通風が昼夜関係なく、24/7/365 で良くなる。

右、旧品。紫外線で結構黄ばんでいる。










(写真はPSC製434艇中295番 Serenity です。)

2015年8月15日土曜日

セレニティー Back on the Market

8月15日土曜日に引き渡す予定だった新オーナーが最後の最後で身を引いてセレニティーは継続して売り出しとなった。この2週間、艇を2回訪問、メールでも文字どおり毎日質問に答えたが、気を入れ直して行くことにする。

2015年8月11日火曜日

セレニティーの新オーナー


設定した期日まで待ったが日本からの購入問い合わせは全く無かった。

決定した新しいオーナーはサンフランシスコ湾の地元の夫婦。既にリタイアした元警察官のロンと奥さんのサンディー。サンディーは1977年、サンフランシスコ市の南隣りのパシフィカという町で自作フリッカを造るのを手伝った経験の持ち主。(その艇は造船中の写真集を見せてもらったが自作フリッカでは珍しいファイバーグラス製だった。)ともかく夫婦共経験豊かなセイラーで安心してセレニティーを引き継いでもらえる。

セレニティーもホッとしているに違いない。これからもSF湾のサウスベイで強い夏風を楽しんで欲しい。母港は現在のマリーナより約8マイル南のマリーナになる。

2015年8月6日木曜日

日本人セイラーたちの話題 2つ


フリッカではないが、2015年夏、日本のセイラーたちの話題を2つ。

先ずは日本でも良く知られているL.A.からホノルルまでの TransPac レースの話し(ちなみに英語ではトランスパックではなく、トランズパックと読む)。この隔年開催の伝統のレースは今年で48回目。今回のレースに参加した山口県周南市を母港とする30フィート艇フォーティッシモ II が現地時間7月30日にゴールした。フィニッシこそ全参加艇中最後となったが、この完走は日本からL.A.までの回航、ホノルルから日本への回航と合わせ、仲間4人の記憶に人生のハイライトの一つとして残るだろう。詳しくは [こちら] 。

もう一つは各々シングルハンドで太平洋を横断、無事ゴールデン・ゲイト・ブリッジをくぐっだ [64歳と63歳のセイラーの話し] 。リンク先写真左はコガ氏、右アベ氏。コガさんは30フィート艇ツヨタカで54日、アベさんは34フィート艇ユキカゼIIで49日の記録。お二人ともまさに人生最高潮という感がある。尚、アベさんはとんぼ返り、再びノンストップで日本に帰り、コガさんは今月中旬にハワイ向けに出航、そこでゆっくりして日本への帰着は来春になるらしい。また各艇ともシングルハンドでの帆走にモニターのウィンドヴェインを装着しているそうだ。

2015年8月4日火曜日

フリッカのときどきイチマイ ?


お知らせ

当ブログは本日より『フリッカのいちにちイチマイ』ではなく、『...ときどきイチマイ』になります。その中『...たまーにイチマイ』になるかも知れません。

無論当ブログが不定期になっても世界各地のフリッカがいなくなる訳ではありません。www.flicka20.com や yachtworld.com、またキーワード Flicka 20 のネット検索で当ブログ未登場のフリッカが見つかりましたらご自分で一枚いちまいの写真の絵解きをお楽しみくださればと思います。

これまでのご精読ありがとうございました。

Smooth Sailing,
当ブログ筆者拝

2015年8月3日月曜日

メインのヴァキータ II エンジン

旧型デッキ・モールドによる船内機仕様艇のエンジン・ルームを見られる機会はなかなか無かった様に思う。

左舷側(画面右)の外付け燃料フィルター(油水分離器)の位置が随分手前になっている。





その下、スルー・ハルの位置が後期艇とは左右逆で、エンジン取水口が左舷側(画面右)にあるのが目を引く。取水口から入った冷却水はエンジン・ルーム内の右舷側壁に装着した水ろ過器を通ってエンジンの冷却水ポンプ入り口まで降りて来る。

下の写真はコックピットからの1枚。

エンジン・ルーム内のイナー・ライニングの形状が後期艇とは少し異なる。ウォーター・ロック(マフラー)の型や位置も然り。


エンジン・エアー・フィルターの筒の向きは水平にすべき。これだと重力の関係で液体でも何でも筒の中に落ちてしまう。

(写真はPSC製434艇中、番数不詳、Vaquita II です。)
フリッカ・データベース

2015年8月2日日曜日

メインのヴァキータ II 室内 2

フォアからアフトを望む。バルクヘッドも白。

コンパニオンウェイは旧型デッキ・モールドなのでステップは計2段。この艇ではその上にさらに一つ小型のステップを付けた。


旧型デッキ・モールドのコンパニオンウェイは切り込みが深いため差し板は幅広の4枚式。しかし荒海でキャビン内に不意に水が流入するのを防ぐため一等下の板を差しっ放しにした場合、その板をまたいでコックピットに出入りすることになるため、この小さなステップを付けたのだ。

この写真では下2枚の差し板を差してあるがそれならもっと浸水防止効果がある。下1枚だけの場合はちょうど新型デッキ・モールドによるコンパニオンウェイ底部にあるブリッジ・デッキと同等の高さとなる。

左舷側ギャリー。

サイドデッキ下にあるカボードの引き戸2枚はもともとティークだが、そこも白く塗ってある。



上の写真ではクォーター・バース入り口に、下の写真ではギャリー・シンクに小型プロパン・タンクが置いてある。この艇のコンロはプロパンらしい。

画面右下のテーブルは90度引き上げ水平にした後さらにアフト側に展伸出来る様にも見える。そうなら長いセッティーにはピッタリだろう。


左下、クォーター・バース入り口のギャリー側壁にも何やら仕掛けがあるが残念ながら他に写真が無いので詳細は不明。

(写真はPSC製434艇中、番数不詳、Vaquita II です。)
フリッカ・ホームページ

2015年8月1日土曜日

メインのヴァキータ II 室内

この艇もハルとデッキをパシフィック・シークラフトから購入して残りはオーナーまたはオーナー依頼のプロが仕上げたオーナー・コンプリーション・ボート(キット・ボート)だったのかも知れない。室内側壁と天井は白い板張り。キット・ボートでなければ、後で何代目かのオーナーが張り替えたのだろう。

この艇は両舷にコンプレッション・ポスト(柱)のある数少ないPSC製フリッカの一つだが、そのポストまで白く塗ってある。


ギャリー・カウンタートップも白。

Vバースのクッションを外したところ。










この艇はバースの下だけでなく、両舷の壁のイナー・ライニングにも孔を開け、ハルとイナー・ライニングの間にある僅かなスペースも収納にし、アクセス口を設えてある。

コンパニオンウェイから見た室内の引きサイズ写真。

両舷のコンプレッション・ポスト間、Vバースのフィラー部分にヘッド(WC)があるオープン・レイアウト。

個室ヘッドが無い分セッティーが長い。バースとしても充分使用可能だ。







開閉型ブロンズ製ポートライトの下、サイドデッキ下の棚には置いたものが落ちない様にバンジー・コードを仕込んである。



(写真はPSC製434艇中、番数不詳、Vaquita II です。)
フリッカ・ニューズレターのページ

2015年7月31日金曜日

メインのヴァキータ II On Trailer

確か1ヶ月程前だったか、トレイラー付きで売りに出ていたメイン州のフリッカ、ヴァキータ。

自宅バックヤードらしき風景。

バウスプリットを含むバウ・プルピット・プラットフォーム、トウ・レイル(ブルワークス)のキャップ・レイル、メイン・ハッチなどに青いヨット・ペイントを塗布。

コックピット後部に見えるのはブームを乗せるブーム・ギャロウズ。





下の写真を見るとコックピット・コーミング上面に張られたティークとコックピット・ソール(床)に置いたティーク製グレイティング(スノコ)はさすがに生のままで、足が滑らないように注意している様子。

メイン・ハッチの形状を見るとこの艇が旧型デッキ・モールドによって造られた1983年前半以前の艇であることが分かる。



左舷側から見たところ。

ポートライトは80年代のフリッカに良く見られるブロンズ製の陸上競技トラック型楕円形。


バウのステム上部には航海灯用の窪みが造り込まれている。ハル・モールドはデッキ・モールドより早く新型になったが、この航海灯の窪みはとりもなおさずこの艇がハルもまだ旧型モールドを使って造られたことを示している。ちなみにこの艇は1981年製だそうだ。

船内機仕様艇。

搭載エンジンはヤンマー1GM。

トレイラーはまだ比較的新しい様だ。



スペア・タイアはトレッドからして一度も使われたことが無い様子。

恐らく4本のタイヤも似た様なものだろう。シーズンの初めと終わりに何度かローカルの短距離を走っただけではないだろうか。

尚、取引には左舷横に置いてあるインフレイタブルのディンギーも含まれていた。




(写真はPSC製434艇中、番数不詳、Vaquita II です。)
USヤフー!フリッカ・グループ

2015年7月30日木曜日

セレニティー 7月25日土曜日の風 3 (Videos)


★ お知らせ ★

唐突かも知れませんが本日は本題に入る前にお知らせ・お尋ねをひとつ。

セレニティーを2006年2月に南カリフォルニアで購入し、ベイ・エリアまで運んでサンフランシスコ湾にて今年で10シーズン目のセイリングを楽しんでおりますが、この度夫婦で相談の結果、10シーズンという区切りの良いところで次のライフ・ステージへ移動すべく、セレニティーを売りに出すことを決めました。

アメリカでの売却を考えておりますが、もし日本の読者の皆さんの中でセレニティーを欲しいとおっしゃる方が居られましたら、ベイ・エリアから日本の港(港は船便により限定されますが例えば横浜、神戸、博多)まで輸出手続きをしても良いかなと考えています。

購入ご希望の方が居られましたら、米時間 8月10日(月)までに boatlife2go @ yahoo.co.jp (コピペ時に @ の前後のスペースを削除)宛てご連絡ください。詳細はメールを戴いた方に直接返信致します。尚、お問い合わせには必ずご住所、ご氏名、電話番号、簡単なヨット歴(セイリング歴)をご記入ください。

当ブログ筆者拝

★ ★ ★ ★ ★

フル・メインとフル・ジブ(セレニティーのジブは85%ジブ)でゾーンに入る。



西風18~19ノット、ガスト21ノット。対地艇速4.8ノット。



オートパイロット無しで直進自走。



ゾーンを抜けてメインのリーフを同時に解き、フルにする。空も風も夏らしく、気持ちの良い午後だった。

(ビデオはPSC製434艇中295番 Serenity です。)
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2015年7月29日水曜日

セレニティー 7月25日土曜日の風 2 (Videos)

風の強いゾーンに入る。



15+ノットの風。シングル・リーフでも良さそうだが風はもっと強くなりそう。



そこで早速メインをダブル・リーフしたが作業を終わったところでまた風が少し落ちた。しかし復路もあることだし、このままで走る。久しぶりにSF湾のサマー・セイリングが帰って来た様だ。ルーティーンでシングル、ダブルの両リーフ作業をするのも楽しい。風もまた少し戻って来た。



ハンターズ・ポイント沖でジャイブして南行。(キャメラは防水。)

(ビデオはPSC製434艇中295番 Serenity です。)
今フリッカ・ホームページで売りに出ているフリッカ一覧

2015年7月28日火曜日

セレニティー 7月25日土曜日の風 (Videos)

この日も早めに風が出て来たので12:45PM に出航。マリーナ出口では13.5~17.8ノットの風があった。



メインスルをシングル・リーフでホイストして北に向かったがその後風が徐々に落ちて10~11ノット、ガスト13.5ノット。リーフを解いても良いがズルをして暫くそのままで走る。



7~8分してラル(パフやガストの反対)は8ノット。そこでやはりメインをフルにする。逆潮で対地艇速は風8ノットで2.8、10~11ノットで3.1、13ノットで3.8ノット。



いつも強い風の吹くゾーンが近付いて来たので Reef Early の原則に則ってメインを再びシングル・リーフ。

(ビデオはPSC製434艇中295番 Serenity です。)
フリッカのリグ

2015年7月27日月曜日

ウィスコンシン州の1978年製フリッカ インテリア・アフト + 2気筒エンジン

フォアからアフトを望む。

実に長く幅の広いバースは通常中央部のクッション2つを外し、両舷にセッティー(シート)のあるサロンとして使う。


この艇には各所にアクセスの良い収納スペースが配置され、背もたれのアウトボード側やセッティーの下も収納。右舷側(画面左)の棚にはVHFを置いている。

右舷側のギャリー。

コックピットに面したバルクヘッドにはキャビン内からも見えるコンパス、プロッター用のスウィング・アーム、バッテリーのメイン・スイッチ等が見える。

カウンタートップに面したサイドデッキ下の収納(カボード)にはステンド・グラスをあしらったドアを装着。

足元の収納アクセス口は籐か竹で編んだスクリーン張りで通風が良さそう。


昨日2枚目の写真に見える様に、フォア正面や両舷上部各収納のドアなどにも同じスクリーンが効果的に使われている。

対面の左舷側、個室ヘッドの壁にはフォース10 (Force 10) ヒーター。

フォース10 には軽油/灯油を燃料にするモデルもあるが、これはプロパン用。

その下はキャビネットのカウンタートップ。

画面左、コンパニオンウェイ・ステップのボックスの下に船内機がある。




クボタ・エンジンをベースにしたユニヴァーサルのFWC 2気筒エンジン。








この艇はオーナー・コンプリーション・ボートという販売システムでPSCから入手したハルとデッキに自分の好みどおりの造作を施したフリッカ中の傑作と言える。クルーザーの面目躍如、20フィート艇である事を忘れてしまいそうな大変居住性の高い艇だ。

(写真はPSC製434艇中、番数・艇名共に不詳、1978年製のフリッカです。)
フリッカのスペック

2015年7月26日日曜日

ウィスコンシン州の1978年製フリッカ インテリア・フォア

このフリッカのインテリアは圧巻だ。

コンパニオンウェイから見たところ。

VバースはPSC製スタンダードのものより長く、かつ、両舷に伸びるラップ・アラウンド型。

真ん中にはフィラー・クッションを一つではなく二つ置く。セレニティーの [バース・イクステンション] 設定時と同じ位の長さか。





しかしこの艇のバースはラップ・アラウンド型なので横にも広く、仮に身長8フィートの大巨人が2人居たとしてもゆっくり並んで横になれそうなスペースが出来上がる。

このバランスの取れたユニークで広いラップ・アラウンド型レイアウトを可能にしたのは左舷側にクォーター・バースと長いギャリーを直列に置くビンガムのオリジナル・レイアウトに囚われなかった自由で経験に裏打ちされた実用的な発想だ。

ギャリーはコンパニオンウェイ右舷側。

コンロを置くスペースはあるが仕込んでいないと云う。



代わりに正面Vバース下の壁に付けたブラケットにギンボル式の [シー・スウィング] コンロを装着して使う。

左舷側はクォーター・バースが無いので直ぐに個室ヘッドになっており、前方バースとの間には小型のキャビネットが設えてある。

(写真はPSC製434艇中、番数・艇名共に不詳、1978年製のフリッカです。)
フリッカ・ホームページの歴代カバー写真

2015年7月25日土曜日

ウィスコンシン州の1978年製フリッカ 

このフリッカはハルとデッキをPSCが造り、その他はオーナー又はオーナー指定のヤードが造ったオーナー・コンプリーション・ボート、所謂キット・ボート。

ポートライトは長方形の開閉式ブロンズ製。

どうやら全ポートが同じ大きさの様で、重厚さを感じさせる。


フォア・ハッチもメイン(スライディング)ハッチもティーク製。

手入れはなかなか良いようだ。



旧型モールドの深いコンパニオンウェイに幅広の3枚式差し板。

トップの板には2個のヴェント(通気孔)。



バルクヘッド上部に張ったティーク板がアクセントになっている。その下のコンパスその他の計器類は古さを感じさせない。近年のアップデートだろう。

コックピット後部センターにはラザレット(ロッカー)。この艇は船内機仕様なので船外機用燃料タンクの置き場ではない。


その横、シート・トップがティーク張りになっている部分は両舷ともやはりロッカー。各シート最後部、スターンの壁には円形ハッチが付いていてトランサムとの間のスペースにアクセスできる様だ。無論円盤を取り外せば通風孔にもなる。

コックピット足元の壁、左舷(画面左)側にあるのがエンジン・ダッシボード、右舷(画面左)側にあるのは手動ビルジ・ポンプのハンドル差込場所。コックピット・ソール(床)はティークのグレイティング(スノコ)でカバー。コックピットの要所がティークで引き締められており全体的に木造艇の様な重厚さがある。

(写真はPSC製434艇中、番数・艇名共に不詳、1978年製のフリッカです。)
フリッカ・パッセージのページ フリッカ各艇の長距離航行記録を載せるページ (全6ページ、各ページ一番下の Next>> をクリック)。

2015年7月24日金曜日

外付け燃料ポンプの修理キット

福岡のフリッカ、ティー・カップの外付け燃料ポンプ換装の記事を読んで、横浜のフリッカ、マリタイムのオーナーの方から、自分も同じポンプが同様に壊れたので修理キットを購入し修理したとのお便りを戴いた。

修理キット。

問題のゴム製部品は薄型のダイアフラムではなく、完全に蛇腹状のベローズ(bellows) である事が分かる。





キットの値段は約6ドル。アメリカからの送料は約17ドル。仕入先は [こちら]

この部品は Walbro の古い型の WEP シリーズの燃料ポンプに共通使用できるものの様で "This is a bellows rebuild kit for old-style Walbro WEP fuel pumps." と書いてある。

***

マリタイムではエンジン用のみでなく、室内暖房ディーゼル・ヒーター用にも別個に同型ポンプが装着されており、今年春1か月の間に何と2台共にポンプが空回りし続けるようになり、分解してみたところ、いずれもゴムの蛇腹(べローズ)に孔が開き、ハウジング(ケース)が軽油で満たされた状況だったとの事で、ティーカップとほぼ同じ壊れ方だったと思われる。

マリタイムは1995年製(426番艇)、ティー・カップは1993年製(421番艇)。90年代に造られたPSC製後期艇の外付け燃料ポンプが押し並べて [このWalbro 製ポンプ] である確率は高そうだ。両艇共建造からほぼ20年が経過したところでゴムのベローズが破損したことから、同年代の他のフリッカでも遅かれ早かれこのポンプの修理または換装が必要になることが考えられる。

マリタイムでは立て続けに2個修理が必要だったことから今はこのキットのスペアも購入・保存されている由。組立直しには多少苦労が伴うかも知れないが、ありがたい選択肢だ。

尚、このポンプはイグニッションをオンにするだけでいつも動いている常時稼動型ではなく、必要な時のみ稼動するタイプで、修理後のマリタイムではエンジン起動時のみ、たまに2~3回カタカタとソレノイドの音がするだけで、後は沈黙していることが多く、壊れているのかと思う位との事。(ちなみにディーゼル・ヒーター用の同型ポンプは、10秒に1回位の稼動。)

***

またマリタイムでは今コンパニオンウェイ梯子の後ろにあるエンジン・アクセス口の板の裏に貼ってある銀色カバーの付いた防振・防音ウレタンの処理中。問題はウレタンが劣化して粉が出ることで、カバーを一度板から剥がして劣化したウレタンを除去し、芯のみ残して再接着中との事。(セレニティーの板には何も貼られていない。これは後期艇またはアラスカに居たマリタイムの様な寒冷地仕様艇だけのものかも知れない。)ともかく建造後20年を経る頃からゴムやプラスティックなど化学製品の劣化には充分注意した方が良さそうだ。

他のフリッカのオーナーの方々のためにこの情報を送信戴いたマリタイムのオーナーK氏に感謝したい。他のオーナー諸氏も事の大小を問わずメンテその他の経験をシェアして戴ければ有り難い。どうぞ boatlife2go @ yahoo.co.jp (@ の前と後ろのスペースは削除され度)まで。

(写真はPSC製434艇中1990年代製等後期建造艇に標準装備されていると思われる Walbro WEP シリーズ燃料ポンプ用リビルド・キットです。写真・情報提供: 426番艇 Maritime のオーナーK氏。)
フリッカの歴史 (History of the Flicka)

2015年7月23日木曜日

セレニティー 7月18日土曜日の風 3 (Videos)

この日は程々の風でセイルボート・レースには最適の日だったかも知れない。



北から来た12~20艇程が約1・5マイルの長さに散らばって南へ下って行く。



タックしての復路は風9.7~10.2ノットで艇速約4.1ノット、13.7~15.8ノットで4.5~4.7ノット。レースする訳ではなし、これだけ走ればまあいいじゃないかとついつい船底の手入れを怠っている。



マリーナまで0.35マイル地点でジブを降ろす。メインのみの艇速3.0~3.1ノット。のんびり出来た良い一日だった。

(ビデオはPSC製434艇中295番 Serenity です。)
フリッカ・データベース

2015年7月22日水曜日

セレニティー 7月18日土曜日の風 2 (Videos)




ハンターズ・ポイント沖でタックしての復路。



これだけ長くリーフ作業無用の一定した夏(西)風が続くのは非常に珍しい。少し手持ち無沙汰の感がないでもないが、天が久しぶりに二人でゆっくりさせてくれたのかも知れない。

(ビデオはPSC製434艇中295番 Serenity です。)
フリッカ・ニューズレターのページ

2015年7月21日火曜日

セレニティー 7月18日土曜日の風 (Videos)

マリーナ内で12:30PM まで吹いていた弱い東風が西風に変わったのを機に出航(発航)。



両セイルをフルに揚げて北に向かう。風7~8ノット、ガスト14.5ノット。まだ1:06PM。今年は風は弱いが比較的早い時間に帆走できる状態になるのでその点うれしい。例年なら2:00~2:30PM の風のビルドアップを待って2時前位に出航するのが普通。

ベター・ハーフの右目は白内障の手術後、裸眼で遠くが実に良く見える様になった。左目は乱視のためかまだ眼鏡が必要な様で今月末まで待って調整予定。やはりダブル・ハンドは楽しい。



9~10ノットの風で静かに北行を続ける。フラッド・タイド(入り潮・上げ潮)なので逆潮。対地艇速2.7ノット。湾中央部の本船停泊域には荷役待ちか NYK Line(日本郵船)の車両運搬船など大型船が12杯以上錨泊中。



リー・サイドの様子。この日の往路はずっと同じ様な風が続いてあまりに気持ち良く、この後ビデオを撮ることさえ忘れてしまった。

(ビデオはPSC製434艇中295番 Serenity です。)
USヤフー!フリッカ・グループ

2015年7月20日月曜日

テキサス州キーマの1979年製フリッカ インテリア


キャビン側壁は元々白だったのかも知れないが、天井は古くなったビニールを剥いでラミネート板に張り替えた様だ。

フォア・ハッチの内壁も木になっているし、シーリング・ライトもブラス(真鍮)とガラスではなく白いプラスティック製に換装してある。







クッションも比較的最近新調した様子。

Vバース・クッションの上に乗っている両サイドの2枚はコックピット・クッションではないだろうか。

フィラー・クッションの下にポータ・ポティー(ポータブルWC)が見えるので個室ヘッドの無いオープン・レイアウト型艇である事が判る。




アイスボックス蓋の右上に何やら金属製の物が付いている。もしかしてヒンジ(蝶番)だろうか。もう1個左側にもあるのかも知れない。












アイスボックスの蓋を開けたところ。

金属がヒンジだとしたら、重い蓋でもこの様にバネで軽く開けられる方式の物かも知れない。

ボックス内のスペースは家庭用洗剤の収納庫として利用している模様。







(写真はPSC製434艇中、番数・艇名共に不詳のフリッカです。)
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2015年7月19日日曜日

テキサス州キーマの1979年製フリッカ

メキシコ湾岸、テキサス州ヒューストン近郊 [キーマ] のフリッカ。この町の近くの汽水湖クリヤー・レイクを含め、ヒューストン近郊はフリッカの多い場所の一つだ。メキシコ湾岸は概して浅瀬が多く、潮の干満の大きいのも理由のひとつかもしれない。フル・キールで喫水1m 弱のフリッカはこの様な水域でも航行しやすい。

このハル色のフリッカは多くないが、1981年製 [ウィスパー] と同色。

ポートライトは70年代艇には珍しい長方形のブロンズ製。











バウのプライマリー・アンカーはブルース。

ボブ・ステイには錨泊時アンカー・チェインが当たって耳障りな音を立てたり金属同士が擦れたりしない様にビニール管を被せ、その下のチェインプレイトにはトレイラー積載時にバウを固定するためのシャックルが付けてある。






トランサム右舷側にはこの時代のフリッカに特徴的なオフ・センターのバックステイを装着するためのミニ・バンプキンが突き出ているが、それでも船外機(ニッサン5馬力)が同じ右舷側に付けてある。










左舷側にも装着用ブラケットがあるので以前は左舷側に付けていたのかも知れない。ブラケットが両側に付いていればスキッパーの右利き左利きの問題にも対応しやすいだろう。

(写真はPSC製434艇中、番数・艇名共に不詳のフリッカです。)
フリッカのリグ

2015年7月18日土曜日

福岡のティー・カップ 外付け燃料ポンプの換装 2

West Marine を通じて購入の代替品はUSヤフー・フリッカ・グループでも話題に上ったスチュアート・ワーナー (Stewart Warner) の [82089] (註: リンク先のヘッド・イン、ヘッド・アウト型の写真は参考写真で、実物ではなく、送られて来た 82089 は本日のポストにある様にボトム・イン、ヘッド・アウト型)。

新ポンプ装着後の写真。








ポンプ圧力は 5 psi (0.35 kg/cm2) で程良い。ダッシボードのイグニッションがオンになっている限り(エンジンは運転していなくても)常時動くタイプ。

以前のポンプ装着に使われていた壁の4本の既存ボルト中、下の2本を使って装着。



こうすれば天辺にある燃料出口孔に付ける真鍮の接続具(アダプター)がL字型(エルボー)でなくこの様なストレート・タイプでも燃料管がデッキとの間に収まる。

アダプターは上下ともこれを使用。

画面下側をポンプにねじ込み、上側を燃料管に差し込む。

写真では分かり難いがポンプにねじ込む側も微妙に先端部が細く、ナットに近い根元部の方が太くなっていて、ネジ部全体がすっぽりポンプの中に入らないが、それでもきっちり接続されるためリークは無い。







(尚、燃料出入り口周辺のスペースの関係でどうしてもL字型アダプターを使いたいがそれが手に入らないという場合は、アダプターはストレート型にし、ポンプ自体を横に倒して壁に装着すれば良い。ポンプは横向きに寝かせて装着しても何ら問題は無い。)

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[ 今回のポンプ換装についての付記 ]

(1) 82089 の付属アダプター類(左の写真)は全く役に立たなかった、ポンプ 82089 発注時に上の写真の 1859222 を合わせて注文しておくと時間のロスが無い、

(2) 燃料フィルター(油水分離器)・燃料ポンプ間の燃料管は既存のものでは長さが足りないので新規に購入、最短1m でないと小売してくれないので1m 購入= 1,500円 したが、およそ30~40cm あれば充分、



(3) 電線は以前のポンプと設置場所が同じなので、ポンプ本体から出ている赤線(陽極線)と黒線(陰極=アース線)は本体に付いて来たそのままの長さで従来の接続ターミナルに接続可能、

(4) Stewart Warner 82089 購入前にネットでヤンマーの陸上機に使われるポンプ(下の写真)を買って試運転をしてみたが、手で触れない程熱を持ったので直ぐに外した、












(5) 82089 装着後の試運転(クラッチを前進に入れ1800~2000回転で1時間程運転)では、ポンプは何とか手を置く事の出来る熱さだった、

(6) ちなみに僚艇 Dana 24 のポンプ(左の写真)は運転後に手で触っても熱くなかった(30年以上経ったセレニティーのポンプも別型だがやはり熱くはならない)、ポンプが稼動している事から少々の発熱は仕方が無いのだろうかとも思うが、今後も 82089 の看視は続けたい、

(7) 外付けポンプ装着後の燃料経路のエアー抜き(ブリーディング)は簡単、ポンプ出口側のアダプターに短めのホースを付けバケツで燃料の飛び出しを受けるよう準備し、ダッシボードのイグニッションをオンの位置にすると(エンジンはスタートさせない)初めはガタガタと大き目の音がするが、燃料ポンプ内に燃料が回り始めると音は小さくなり、ホースから燃料が出て来たらすぐにイグニッションをオフにし、ポンプにエンジンへの燃料管を繋ぐだけでOK、その後エンジンをスタートさせ約10分間運転した後エンジン本体に付いている燃料フイルター上部のエアー抜きボルトを緩め、手でポンビングしてみたがエアーは出て来ず、この部分のエアー抜きは必要の無い状態だった、

(8) 外付けポンプに問題があった場合、外付けポンプをスキップして油水分離器の出口側にエンジンへの燃料供給管を直接接続する事で緊急避難する方法も体得出来たと思うので良かった。

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以上、愛艇での外付けポンプ換装経験・情報をシェアして戴いたO氏に感謝したい。

(写真は最後の1枚を除き全てPSC製434艇中421番目 tea cup 及びその関連の品物です。写真・解説提供: オーナーのO氏。加筆・編集: 当ブロッグ筆者。)
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