線はキーを差込んで電源をオンにする円筒形のスイッチの陰極から出ている。しかし同じ極から水色の線も出ている。これは何だろうか。経路を辿ってみる。
分かり難いかも知れないが、線が長すぎるため燃料ポンプから出ている太い燃料管の下で一度Uターンし、画面下部左端から画面外に出た後また戻って来て、画面中央で赤い線に繋がれ、その赤い線はホット・ワイヤーとしてポンプの陽極に接続されている。
ポンプの陰極からは独立した黒い線が出て画面右下から右舷側に向かっている。つまり、エンジン・ダッシボード(計器盤)のスイッチの陰極から出て来た水色の線は + (プラス)の線なのだ。
また、艇のエンジンはキーをスイッチに差し込んで回し電源をオンにした後、すぐ横にあるスタート・ボタンを押して始動させる様になっているが、上記配線により燃料ポンプは電源をオンにしただけで(エンジンを始動させなくても)動き始める事が理解できる。
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さて、上の写真で水色の線と共に画面に入ってきた黒い線は画面中央部でUターンし、そのまま画面左下から外に出ている。その黒い線、ならびに画面右下から右舷側に向かう燃料ポンプからの黒い線の行き先を見てみよう。
そこで気になるのがエンジンのダッシボード裏から水色の線に沿って出て来た黒い線のもう片方の端。それはどこにあるのだろう。
黒い線は水色の線に絡めて留められている。エンド部分には何やらビニール・テープが付いている様子。
このエンドはアワー・メーター接続用ブラケットの付いた線に繋いであったのだろう。何かの理由で外され、線が剥き出しになっていたエンド部をクリーンにカットし直したものと思われる。ブラケットの付いた線は捨てられてしまった様で見当たらない。アワー・メーターが動かなくなった時の所作だろうか。
いずれにせよこれがバッテリーの陰極に直接繋いであるグラウンド線だから、この黒い線をアワー・メーターの陰極に、トップの写真に見える短い黒い線はアワー・メーターの陽極に繋ぐのが正解ということになる。新しいアワー・メーター装着時にはその様に配線したい。
(写真はPSC製434艇中295番 Serenity です。)
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