2011年5月23日月曜日

円形ポートライトのフリッカ

サンディエゴのマリーナ係留中のフリッカ 『リリア・バード』 。1980年製。PSC製には珍しくポート(窓)が正円形。

フォアワード・ハッチの上には方形のオーニング(テント)。

ハッチを透かしていても雨は打ち込まない。



ポートには内側からカバーが嵌めてあり日光を遮っている。







キャビン・バルクヘッドにはクリートの代わりのビレイング・ピンが並んでいる。







1980年製はまだPSC最初のデッキ・モールドで造っていた。従ってブリッジ・デッキが無く、コンパニオンウェイの切り込みが深いはずだが、この艇は自分で内部がロッカーになっている幅広のブリッジデッキを造作。コンパニオンウェイもそれに合わせ、浅く小さくした。デイ・セイリングではなく、シングルハンド、またはダブルハンドによるクルーズ志向艇だ。

外洋クルーズ艇としては充分な大きさのコックピット。

正面ロッカーの壁に見えるのはコンパス。




コックピットが小さければ荒天時大波が来ても艇に入る水の絶対量が少なく、水はけも早いので艇の負担は小さくなり安全性が増す。ティラーはほぼストレート。このコックピットには少し長すぎるようにも思える。

スターンのダッシ・ボードはエンジン用パネル+時計か。









ポート側コックピット・シートに見えるのは特製のプロパン・ボンベ収納庫のハッチだ。

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尚、写真には写っていないが、メインスルはトリプル(3)リーフできるフル・バトン式。トライスル、ストーム・ジブ、ジェネカー(クルージング・スピン)も装備。通常使用のヘッスルは87.5%ジブで、これもダブル・リーフできる。このセイル・インヴェントリーを聞いただけで外洋志向(または経験)が伺い知れる。

また、トップサイド(デッキ)には清水による洗い流しシステムを装備。自動操舵はラダー後端にカスタム・メイドのトリム・タブを付けたラトクリフ(Ratcliff)製ウィンドヴェインと、ナヴィコ・シムラッド(Navico/Simrad)のオートパイロット(ティラーパイロット)だそうだ。

(写真はPSC製434艇中、番数不明、1980年製 Lelia Byrd です。)
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