場所はアメリカの何処かだろう。真夏のような強い日差し。これから陸路帆走海域に向かうのだろうか。それとも目的地に着いたばかりなのか。
喫水線を示す白いブート・ストライプが非常に細いのが目を引く。
ハルは曲線で出来ており、平面に同じ太さのストライプを一様に画くのとは訳がちがう。例えばバウ、アミッドシップ、スターンの各部を比べて見ると、それぞれハルの曲線が垂直に近くなったり水平に近くなったりしているのが分かる。このため横から見るとストライプの幅は一見広がったり狭まったりしているように見えるのが普通。昨日の南アフリカのフリッカのストライプを今一度見てもらいたい。バウ部分のストライプが太くなっているように見えるのが分かるだろう。
この艇はストライプが細いためそのような見た目の太さの違いが分かり難い。実際に下架して海面に浮かべた時にこのストライプと水面がバウからスターンまで一様に平行になるか見てみたい気がする。
尚、ファクトリーでは設計図に基づいてストライプを引いているが、オーナーたちは多くの品物を積んで出る長期クルーズの前にストライプを上にずらして引き直したり、帰って来て身軽になった艇ではストライプを元来の位置に戻すなどということもやっている。
トレイラーはダブル・アクスル(車軸2本)、艇が倒れないように横から支えるパッド付きサポートは片舷3本、計6本。
これなら船底塗料を塗る時も艇を動かすことなく、前後4~5枚で交代で支えるようにして船底全面を塗ることが出来る。バウの1本は外すしかない。
STB側前2枚のクロースアップ。
(垂れているのはペリカン・フック付きのライフライン。無視され度。)
パッド付きサポートはあくまで艇が横に倒れないようにサポートするだけで、艇の重量を支えるものではない。全重量はキールの底で支えるのが基本だ。
(写真はいずれもPSC製434艇中、番数不明、PSC作成初代モールドによる Fairwinds です。)
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