冬の雨季であるにも拘らず今年の1月は一滴も降らなかった。昨年のクリスマスあたりから降らなかったが、ついに2月5日から雨となった。水不足のカリフォルニアには恵みの雨だ。
2月6日金曜夜~7日土曜朝の間は50~60mm は降っただろう。
しかし7日昼前マリーナに到着した時にはポートライトに溜まった水は垂らした紐を通して全て下に落ち、跡形も無かった。紐の効果は抜群。
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本題に入ろう。この日の日中は降ったりやんだりの予報なので、開けたスライディング・ハッチの上周辺をブームの上に広げた2畳大のタープ(シート)でしっかり覆ってキャビン内での作業に専念する。先ずエンジン・オイル・パイプ(管)のメンテ。
エンジンのウィープ・ホール下にある2本のオイル管には塩水が掛かっても平気な様に毎年2回程シリコン・グリースを塗布し直して来た。
オイル管だけでなくエンジン本体のペイントの落ちた部分も然り。上の写真は塗布後既に半年程経過した状態。
薄いゴム状に固まったシリコン・グリースを剥がしてきれいに拭き取った状態。
オイル管は潤滑オイルがエンジンとオイル・フィルター間を循環するため往路復路合わせて2本あるが、塩水が掛かって腐蝕が生じ、孔が開いてそこからオイルが漏れてしまうという1GM /1GM10 特有の問題が起きやすいのは手前の管の様だ。
上から見ると全く問題なし。
しかし下から見るとこの通り。
画面ほぼ中央部、管に付いた錆びた場所が分かるだろうか。
10年前エンジンを新品換装してから一時期ガムテープで管の上に保護カーテンを作っていたことがあり、それを外す時ガムテープに表面のペイントが付いて来た。ここもその一箇所なのかも知れない。(ちなみにエンジン本体の表面のペイントが剥げてプライマー = 下塗りが見えている箇所はガムテープを剥がす場合の自損。これらの場所もパイプ自体と合わせて6年位前からシリコン・グリースを塗布して来た。)
しかし換装直後2年間(運転185時間)はカーテンも無く、適宜パイプに付いた塩を拭き取るだけで、何の保護もしなかったので既にその時この錆びが出ていたのかも知れない。とにかく今後もイギリスのキャラウェイやシアトルのトゥーカンが経験した [管からのオイル漏れ] は避けたい。
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シリコン・グリースは定期的に注意深く塗り替えているとは言え、気付かない塗りむら等でセイフティー・ネットに綻びが生じないとも限らない。そこで今年から手前の管(オイル・フィルターからエンジンへ戻る復路管)にはシリコン・テープを密着させて巻くことにした。
先ず管の両端にそれぞれシリコン・テープの小片を強く引っ張って2巻きしたアンカー部を作る。
周知の様にシリコン・テープはシリコン・テープにしか接着しないからだ。
続いて片方のアンカーにテープをしっかり引っ張りながら重ねて接着させ、テンションを緩めずもう一方のアンカーまで巻いて行って留める。必要に応じてさらにテープを巻き重ねる。
テープを巻き終わった管を下から見たところ。
フォアから見たところ。
この後手前の管の右上部分、奥の管、及びエンジン本体部のペイントの剥げた場所にまた新しいシリコン・グリースを塗布した。タイトな場所なので巻き難いが奥の管にもシリコン・テープを巻こうかとも考えている。
(写真はPSC製434艇中295番 Serenity です。)
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