漁船やバージ(台船)などのワークボートをヨットに改造する話しは良く聞くが、ヨットをワークボートにするのは人間が犬に噛み付くような話しで実に珍しい。
操舵ステーションはバウ近くに在り、コックピットが広い。蟹やロブスター漁に使えそうな風情。
スターンの葡萄のスクロールワークがバウのものと同等に大きいデザインなので、1972年にデザインが発表されて以来の自作艇(造船所でのワン・オフを含む)か、ノー’スター製20艇中のフリッカ1艇かも知れない。数は極めて少ないがPSCの極く初期のフリッカもノー’スターのハル・モールドを使っていたのでその中の1艇の可能性もある。
しかし、これは本当にフリッカだろうか。艇長は20フィートではなく25~6フィートあるようにも見える。ハルのラインは確かにフリッカと同一だ。しかし、ラビング・ストレイク、ブルワークに仕込まれたブロンズ製のポート型フェアリード、フォアデッキにあるサムソン・ポストなど、どれもこれもヨット用の生半可な大きさのものではない。最初から機走だけのワークボートとして造られた艇ではないのだろうか(ただし、この写真撮影時には既にプレジャー・ボートに転用されていたかも知れない。)
ともかくこの艇はセイルボートではないものの、フリッカの原型であるロードアイランド州のワークボート、ニューポート・ボートの姿、かくありなんと思わせる姿だ。
スターンの外付けラダーを保護するバンパー(バンプキン)は参考になる。
(写真はフリッカと近縁のワークボートです。)
⇒ フリッカ・ブローシュア(14頁版)