言うまでも無くジャックラインとは艇外に落ちること(落水)を防ぐため、身に着けたハーネスのテザーをフックするためのライン。バウからスターンまで両舷に渡してあり、踏んで転ばないように通常ウェビングという平たいラインを使う。(参考: [ハーネス、テザー] )
フリッカではジャックラインの先端をフォアデッキ・クリートに付けるのが普通。
しかしこの艇ではデッキにジャックライン専用のアイを装着してある。
両サイドをアスターンに伸びたライン。スターン・エンドは恐らくコックピット・コーミング上にあるクリートに留めてあるのだろう。
右舷スタンション間に渡したステンレス・パイプに装着してあるのはコア(レイル・ローラー)に巻き取ったライン(200フィート)とシー・アンカー。
ラインとシー・アンカーをベルクロ付きカバーで固定してあり、悪天候時にすぐさま展開できる設定。無論、展開後のラインはチョックを通してバウ・クリートに固定するが、チョックはボルト付きの頑丈なものに換装されている(一等上の写真参照)。
シー・アンカーにも [パラシュート型] 、[コーン型] 、小型のコーンを直列に並べた [シリーズ・ドローグ型] など色々有るが、これは[パラテック] 製直径9フィートのパラアンカー。
尚、以前にも取り上げたがUSコースト・ガードのテスト結果によると波の壊れる大荒れの暴風の中ではハンドリング、パフォーマンス、さらに耐久性の面から [シリーズ・ドローグ型が最も良い結果] を出している。またシー・アンカーはバウではなく、スターンから展開することが推奨されている。
(写真はいずれもPSC製434艇中413番目 Celtic Turtle、 旧名 Honu、Leprechaun、Turtle です。)
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