このステイスルはこれまで広げてみたことはあるがまだ活用したことは無い。5月31日土曜日、実際の帆走に使ってみようとまず出航前のマリーナで揚げて見た。
ラフ(セイル前辺)にワイヤーが入っているのでフォアステイにハンクする必要は無い。タック(セイル前方下のコーナー)を固定し、セイル・ヘッドをステイスル専用のハルヤードで吊り揚げるだけで良い。
揚げたセイル位置の確認の結果、リーチ(セイルの後辺)が時々シュラウド(マストをサポートするマスト左右側のワイヤー)に当たる事が分かった。
セイルがスタンディング・リギングに擦れるのは避けねばならない。
セレニティーにはブーム付きジブがあるのでステイスルはフット(セイル底辺)がジブをクリアーできる高さにセットする必要がある。
そのためバウスプリット一等アフトのスルーボルトに留めてあるアイにタック・ペンダント(ワイヤー)を付け、セイルのタックをそのペンダントに装着。
仮にブーム付きジブが無ければ、ペンダントは無用なのでその分セイルがフォアへ移動し、セイルのリーチがシュラウドに擦れることも無くセット出来るだろう。
セレニティーにはバウスプリット固定用のスルーボルトは3本ある。今後もこのステイスルを使うとすればアイを前方のスルーボルトのいずれかに移動してセイルをフォアに移動させねばならない。
しかし幸いジブのブロンズ製グースネック下部にはジェノアなど大型セイルを揚げる際に使用するペンダント用のアイがあり、ステイスルのタックの固定にもそれを利用することにした。
セイル・ラフのワイヤー先端にあるシンブルにペンダントのシャックルを付け、その上でタック孔から伸びているラインも同じシャックルに留めている。
この設定でのステイスルの位置(一等上の写真と比較され度)。
これでセイルのリーチがシュラウドに擦れることはない。
セイル・ラフのシンブルとペンダントのシャックルの連結部をデッキから見たところ。
ステイスルは随分黄ばんでいるがクロースはニュー・セイルの様にパリパリで、過去30年近くの間、使われたのはせいぜい1~2回のみと想像する。
(セイル・メイカーはファクトリー・オリジナルのメインやジブのセイル・メイカーとは別メイカーなので、初代~3代のいずれかのオーナーが所謂新古品をニューポート・ビーチの [ミニーズ] で購入したのかも知れない。)
セイル面積はリーフを入れたジブよりも小さく、ダブル・リーフのジブ(セレニティーのジブにセカンド・リーフ・ポイントは無いが)と同等か少し大きい位。
(写真はPSC製434艇中295番 Serenity です。)
⇒ フリッカの歴史 (History of the Flicka)