このフリッカのオーナーは旅行、ハイキング、キャンピング、フリッカではない自艇でのSF湾セイリング、そして最近始めたらしいカヤック自作と実に多忙な御仁。フリッカの作業はそのためか今ひとつ捗っていないようだ。
この写真は [前回の写真] とそっくりだが、別物。
造作に進展は無いが、コックピットの下塗りをタッチアップしたように見える。
喫水の少し上にあるドレイン(排水口)。1983年後期の新モールドになる以前の艇の特徴のひとつ。右舷側にも同じ物がある。
船外機仕様なのでプロペラ・アパチャーは在るもののシャフト用の造作は無し。
ファクトリーでのジェルコートか、その後のペイントか分からないが、ハルのフリーボード部分の状態は悪くない。
ナパ・マリーナのヤードで作業中。
リグに変更予定はないようだ。
昭和30年代中頃まで時折日本の漁村でも見られた帆掛け舟に似ていないことも無い [ディッピング・ラグ(Dipping Lug)] (2枚目の写真)というリグだ。
ラグ・セイルにも [種類があり]、このディッピング・ラグはセイルを必ずマストの風下側にセットして帆走する。無論セイルがマストに押し付けられセイル・シェイプが崩れることを避けるためだが、タックやジャイブの際必ずヤード(ガーフ)とセイルを対舷に廻さなくてはならない。廻す際、ヤード+セイルをタイミング良くすばやくディップさせる(ヤードの船首側の端を下に引きヤードを立ててマストの反対側に廻す)必要があるので慣れないとうまくタックやジャイブができないらしい。このため同じタックで長距離を走る艇に向いているという。ヤード+セイルの大きさも限られてしまう。
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スタンディング・ラグはディッピング・ラグとちがい、常時マストの片側(通常STB側)に揚げておく。セイルのタックはディッピング・ラグがバウにセットするのに対し、マスト近くにセット。しかし、どちらのセイルもブームは無く、ルース・フット。
バランス・ラグはスタンディング・ラグに似ているが、セイルのラフ(前辺)をマストよりもっと前に出せるようにブームが付いている。小型艇向き。
(註:上記リンク先での説明ではバランスト・ラグとなっているが、正式にはバランス・ラグ。)
チャイニーズ・ジャンクもラグ・セイルの一種でバランス・ラグに酷似しているが、セイルにフル・バトゥンが入っている。船艇の大小を問わない。
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一度ラグ・セイルのフリッカが帆走する姿を見てみたい。
(写真はPSC製434艇中、番数不明、1980年製フリッカです。)
⇒ 進展状況は [ここでチェック]。そこで見られない場合 [こちらでチェック] (写真は未整理で種々混載。他艇の作業写真もあるのでフリッカと混同なさらないようご注意。)