2010年4月13日火曜日

ティーク・ワーク

ある自作フリッカ、手作りのティーク・ワーク。

コックピット・ラザレット(ロッカー)のフタ。









フォアワード・ハッチ、シー・フッド、コンパニオンウェイ・ハッチ。

両舷とスターンに見えるトウ・レイルも無論手作り。

写真にはまだないが、この後キャビントップにハンド・レイル(手すり)も装着。








ドロップ・ボード、コンパニオンウェイ・トリム、コンパニオンウェイ・ハッチ、シー・フッド、バウのプラットフォーム。

バウスプリットはシトゥカ・スプルース。









このフリッカは1974年末17歳の高校生が雑誌ラダーからフリッカの図面を購入し、ハルのモールドづくりから始めた。4年後、大学を卒業する頃、やっとファイバーグラスのハルができた(殆ど夏休みだけの作業、他の時期は資金づくりのアルバイトと学業)。

その後、工程を短縮するため、1978年にフリッカ生産を開始したPSCからファイバーグラス・デッキのみ購入することにした。デッキは1979年10月、配達料込みで$3,000だったという。

70年代末、PSC製フリッカは1艇約$15,000。1987年(17歳だった少年もすでに妻あり2歳の子供ありの30歳になっていた)に完成した自作艇は材料費だけで約$15,000だったという。自作せず、大学でバイトの金を貯め、残りは70年代末にローンを組んでPSCから丸々1艇買った方が良かったんじゃないか、などと言うのは他人が後で考える意味のない論理だ。

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この艇の自作の様子はニューズレター『フリッカ・フレンズ』で3号に渡って紹介されている。[第一章はこちら]

このストーリーを読むと、自作した男はもちろん、その親、妻、子供にとって、このフリッカにセイルボート以上の意味があることが分かる。この艇は人手に渡ることなく、親から子へ、またその子へと何世代も受け継がれていくことだろう。

(尚、1987年のPSC製フリッカの新艇の値段は約$30,000だった。)

(写真はいずれも Dave Kenyon 自作の Q.E.D. です。)
フリッカのニューズレター一覧