2013年11月26日火曜日

ウェンズルT 室内

初期PSC製フリッカのポートライトは長方形だ。1990年代のPSC製フリッカのポートライトとはコンフィグが異なるが、フォアの開閉式小型ポートは大変良く似ている。

この艇のものはブロンズ製。










初期艇では通常コンプレッション・ポストはないが、この艇ではアイスボックスの端のバルクヘッドに造り込まれており、バルクヘッドの角にはグラブ・ハンドルも付いている。正面のチェイン・ロッカーへのアクセス口に、後年のフリッカに見られるVバース上の収納のドアが付いているのも興味深い。

一等後ろの大型ポートのみは締め切り式になっている。








ギャリーの造作は後年のスタンダード仕様に極めて近い。クォーター・バース入り口アウトボード側の棚はオーナーの後付けの様だ。

この艇で最も興味を引くのがこの個室ヘッド。

PSCが個室ヘッドを造り始めたのは1980年代に入ってからのはず。これはおそらく何代目かのオーナーがオープン・レイアウト型だった艇の室内にPSCから個室フレームだけを購入し、自分で造り込んだものではないかと思われる。







初期PSC艇では配電盤がSTB側にあるが、この艇でも然り。(PSCでは個室ヘッドを作り始めてから配電盤はPort側に移動させている。)その下、個室内の作りもアウトボード側の収納、ソール(床)など、PSC仕上げの個室の造作とは異なる。天井のビニール・カバーは個室部分だけ剥ぎ取られている。個室ドアもない。ポスト・マーケット造作の風情が漂っている。

(写真はPSC製434艇中060番目 Wenzel T です。)
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