シアトルのトゥーカンでは雨が降った後、個室ヘッド(トイレ)のソール(床)に少しだが水が溜まるようになっていたそうだ。
画面中央奥、カーペットのようなハルの内張りが濡れていたので、剥がして点検しているところ。
ちょうどサイド・デッキの下にあたる部分だ。見ての通り、サイド・デッキは画面左側のフォア(船首側)から画面右(コックピット側)に傾いている。デッキやキャビントップに降った水を集めて、スカッパーと呼ばれる排水溝から艇外へ出すためだ。スカッパーはコックピット・コーミングの少し前に位置している。
その部分に頭を突っ込んで上を見たところ。
画面上半分はデッキの裏側。右上はスタンチョン用のSS製バック・プレイト。画面下半分はデッキのひれとハルのひれを重ねたジョイント部分。(フリッカのデッキとハルのジョイント方法は [フリッカ・ブローシュア] 6ページと9ページの断面図参照。)
当初、シート・トラックまたはスタンチョンのデッキへの接合部からリークしているのではとシールし直してみたが、さにあらず。原因はスカッパー(真新しい白いシーラントを塗った長方形の部分)周辺にあったという。
以前のオーナーも同じ水漏れに悩まされたらしく、厚く塗ったシーラントが変色しているのが見える。その上に真新しいシーラントを塗り重ねたらリークは止まったそうだ。
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昨日見た1986年製の無名のフリッカ。
ハルの色が暗いので分かりづらいが、スタンチョンとシート・トラックの間(アルミ製トウ・レイルの下)にスカッパーが見える。
スカッパーは無論左舷にもある。白いハルだと分かりやすい。
これは旧オレゴン、現ニューヨーク州在のデスティニー。レイルはティーク製。
尚、小生どものセレニティーは建造から25年半経つが、スカッパー周辺を含め、ハルとデッキのジョイント部分からのリークは一切ない。また [ ノー'スター(ノース・スター)製 ] やビンガムの設計図から起こした自作艇はコーミングがストレート。故にサイド・デッキの水は堰止められずスカッパーは必要ない。
(写真上2枚はPSC製434艇中340番目 Toucan、3枚目は番数未確認1986年製無名フリッカ、下は203番目 Destiny です。)⇒Toucanホームページ