製作に10年(殆ど週末の時間を利用)を費やしたという自作艇レッド・ラスカルは、ヤンマーの1GM10でも船外機でもなく、船内機として電動モーターを搭載している。
プロペラ・シャフトと平行に並んでいる青色のモーターは出力3馬力、潮流があってもマリーナへの出入りに不自由しないという。
何でも電気モーターの3馬力はドライブ・トレインの効率の良さからか、1GM10(船内機=ディーゼルエンジン)の9馬力に匹敵するのだそうだ。
画面右、両舷にある白い板の棚はバッテリー搭載用だそうだが、艇のトリムのため(バランスを取るため)、そこにあった駆動用バッテリー2個は今はVバース下にセットしているという。今コックピット下にあるのは12Vのハウス・バッテリー(航海灯・室内灯等用)1個だけ。
駆動用バッテリーは計6個、残り4個は各舷それぞれVバースのすぐ後ろ、バルクヘッドに面して設置した2個用バッテリー・ロッカーに収納。2バンク・システムで、各バンクが12Vx3個=36V。バッテリーは全部高性能のAGMバッテリー(1個の重量73ポンド)を使用している。
スターボード側コックピット・ロッカーの中。右下に見える銀色のものが陸電によるバッテリー・チャージャーのひとつ。チャージャーは計2機を搭載している。
まだモーターをフル回転させたことがないので最高速は不明だが、このシステムを提供したエルコという会社の計算では5ノットは出るとの予測。(プロペラは3枚羽根。)
稼動時間は1バンクあたりトップ・スピードで2時間、通常3時間、低速運行なら4時間。2バンクだから計4-8時間。
静かで排ガスを出さずメンテも殆ど不必要のエコーなシステム。2-3年前のことのようだが、費用はモーター、コントロール・サーキット、ヒューズ、スイッチ、駆動ベルト、ベルト用滑車、36Vチャージャー2個、DC-DC変圧器(12Vのハウス・バッテリー充電用)、陸電への接続一式、プロペラ・シャフト、スタッフィング・ボックス(PSS)、プロペラも全て込みで$9,000だったそうだ。
(写真はいずれもカリフォルニアの自作フリッカ Red Rascal です。)
⇒レッド・ラスカル 外観、 同 内観 1、 同 内観 2