既述のようにフリッカのマストはキャビン・トップにステップして(立てて)あるだけで、キャビンを突き抜けてキールにステップされてはいない。キャビン内、マスト直下にマストからの荷重を支える柱、コンプレッション・ポストすらない。
フリッカではマストからの荷重をキャビン・トップに仕込んだ分厚いアーチで受けて、キャビン・サイド、デッキ、バルクヘッド、キャビン・ソール(床)、さらにハルやキールへと送っているからだ。このためキャビン内が広く使える。
このフリッカは自作艇だが、アーチはこのようにマリン合板にファイバーグラスをレジンで固めて積層してある。写真は製作中のロバート・コリヤー(Robert Collier)。
両舷にポストを設えているが、これはコンプレッション用というよりは手摺りと考えた方が良い。
周知のとおり、もともとの設計図によるキャビンはPSC製と比べ、このようにキャンバー(円弧の曲がり具合)が大きいのが特徴。
(写真はいずれもカリフォルニアの自作フリッカ Red Rascal です。)
⇒レッド・ラスカル 外観 & 同 内観