2009年11月26日木曜日

ラダー・チークのホゾ穴堀り

ラダー・チーク作りの中でホゾ穴堀りは特に気を使う。見てのとおり、ラダーを船体本体に取り付けるためのブロンズ製金具、ピントル部分をカバーするのが長方形部分。中の長円状の部分はピントルをラダーに取り付けているボルトやナットの部分をカバーするため一段と深く掘ってある。

実はピントルの幅はこの長方形部分の約半分。ボルト・ヘッドやナットの径も長円の幅よりかなり小さい。





両方とも装着時に苦労しないように随分余裕をもたせてある。そのためか、良く測ると長方形の幅は奥の部分の方が入り口部分より1/16インチほど広かったり、長円は形が雲形になったり、随分おおらかに作ってある。

しかし、深さだけはどこを計っても1段目5/16インチ、2段目3/16インチ、計1/2インチと正確だ。

小さい目盛の定規で計測しながら新しい板に鉛筆で墨入れ。(雲型は大きさと深さが重要で、細部の形にはあまりこだわる必要は無い。)

ドリルを使って2段目部分から掘り始める。ドリルには1/2インチ弱のところにマジックで目印をつけ、深堀りしないように注意した。



(効率をあげるため2枚目の時はもっと径の大きいドリルを使った。)

ドリルで穴を開けた後は、大小2本のノミやファイン・ツールで掘り進め、鉄のヤスリで地ならしと仕上げをした。




深堀りしないように頻繁に定規で深さを計測した。鉄のヤスリでゴシゴシ擦ると面がきちっと出て形が明確になるので大変重宝した。(尚、定規の十字架の短い棒はスライドする。それを木の表面に置き、頭の部分を穴に入れて深さを測る。スライドをセットした値で止めておき、頭を突っ込むと手っ取り早く深浅が分かる。)

細かい仕上げは1段目も掘った後に行う。

電動円ノコの深さを5/16インチにセットして、長方形の両側部分に切り込みを入れる。






深切りしないよう注意しながら、ファイン・ツールの半円形カット・ツールでこのように切り込みを入れる。なるべく浅めに切り込む。



入り口部分は外から深さが良く分かるので浅めにカットした線を手引きノコでちょうどの深さまでカット。その部分からノミを入れ始める。

(註:半円形カット・ツール = ファイン・ツールは回転ではなく、細かい振動でカットするツールなので円ノコのように円形でなくとも切れる。)

切り込みを入れてあるので、いかに硬いティークでもノミを軽く当てて行くだけで、まるでチーズでもカットしているように切れる。



ホゾ穴を掘るのに使った道具類。ここには写っていないが、前述のように電動円ノコ、ファイン・ツールの半円形カット・ツールも使用。


穴は2段とも、最後の仕上げは細いノミと鉄のヤスリで行った。

(写真はいずれもPSC製434艇中295番 Serenity 関連のものです。)
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