2011年3月21日月曜日

リトラクタブル(格納式)レイジー・ジャック

昨日のフリッカ、レイディー・バグはオーナー手製のレイジー・ジャックを装備している。

撮影のためレイジー・ジャックを展開してみせたところ。









レイジー・ジャックを装備しメインスルをフル・バトゥンにすると、セイルをダウスしたり(降ろしたり)、リーフしたりする時、セイルがサイドに落ちたり飛ばされたりせず、ブーム上に行儀良く降りてくれる。

その反面、セイルをホイストする(揚げる)時に、バトゥンがレイジー・ジャックに引っ掛かって難儀することもある。

レイディー・バグのオーナー、ピートはレイジー・ジャックをセイルのホイスト時には格納、ダウスまたはリーフ時には展開しておけるようにすることでこの問題を解決した。

セイルを降ろした後は、このようにレイジー・ジャックを格納している。

レイジー・ジャック上部はマストに沿って格納。




下部はブームに沿って格納。











両舷ともジャック上部のラインをターニング・ブロックに通し、下に引いてマスト側面のクリートにヒッチしてあり、格納・展開はそのラインで操作する。(マストに沿って格納した部分はグースネック辺りでマストにタイしてあるのではと想像する。)

尚、参考にした資料は [This Old Boat 誌の記事]

註:

(1) 同記事中の写真ではターニング・ブロックをスプレッダー下面に装着したアイに提げているが、レイディー・バグではマスト側面にチーク・ブロックを付けてある。これはプロのリガーに相談し、フリッカのスプレッダーは強風下でレイジー・ジャックをサポートできる程強くないのではないかとの助言を受け容れたからだ。

(2) SS製シンブルは格納している間マストに当たり雑音の源になったりマスト・ペイントを剥落させたりする。このためナイロン製にしたが、ナイロン製は紫外線に弱くSS製程長く保たないので定期交換の要有り。

(3) ラインは3ッ縒りのダクロン・ライン(径5/16")を使用した。

フリッカは小型艇なので$100ちょっとで出来そうだ。

(写真はいずれもPSC製434艇中071番 Tern 改め Lady Bug です。)
⇒ フリッカ・データベースにある [レイディー・バグ] の紹介。

2011年3月20日日曜日

てんとう虫

まだ明るい空にハーフ・ムーンを望みながらムーアリング・ブーイー(常設アンカー)に係留中のニューヨーク州 [ママロネック] のフリッカ 『レイディ・バグ』 。 旧名 『ターン』 から改名した。

鳥の名を艇名にしているフリッカは少なくないがターンは [海鳥の一種] で急降下ダイビングのうまい鳥だ(日本ではコアジサシか)。


こうやって改めて観てみるとターンもてんとう虫もフリッカの姿形に合っているような気がする。そういえば日本の [レイディーバード] もてんとう虫という意味だ。

(写真はPSC製434艇中071番 Tern 改め Lady Bug です。)
⇒ この071番艇はこれまで [4回取り上げた] (クリックすると本日の記事の下に過去の記事が掲出される)。

2011年3月19日土曜日

サンタモニカ湾

MdRのフリッカ、ノウマッド、サンタモニカ湾を帆走中。

風15~18ノット。メインもジブもフル。

ジブのみわずかに風を逃がしてディパワーしている様子だ。



ちなみにこの位の風で上る時はこの写真のようにルーワード(風下側)に座り、ジブを見ながら帆走すると良い。ルーワードに座ればジブのリーチが見える。

ティラーは親指と人差し指の間に入れ、またはそれに中指も添えて、首の横で軽く支えておく。ガチガチに握ってティラーと格闘しないこと。

艇は帆走しながらウェザーヘルムで自らゆっくり風に向かってヘッドアップしていく。ジブのリーチ上部を見ながらそのまま艇の動きに任せる。ヘッドアップし過ぎてジブの天辺近くがわずかにラフし始めたら、親指と人差し指の間のティラーを軽く操作してラフしなくなるまでバウを僅かにルーワードに戻す。艇速が上がって勢いが付いたらまた艇に自らのウェザーヘルムでゆっくりヘッドアップさせる。これの繰り返し。

風は分単位でパフ(一番強い風)とラル(一番弱い風)を周期的に繰り返す。上記のようにジブを見ながら軽く操舵して行けば風の変化にも無理なく対応できる。アメリカのオールド・ソールトはこの走法をまさに 『風を登る (Climb the wind) 』 または 『艇に風を登らせる (Let the boat climb the wind) 』 と表現する。

ヒール角は27~28度。












(写真はいずれもPSC製434艇中054番 Nomad です。)
フリッカ・ニューズレターのページ (最近は写真やトピックがフリッカ・ホームページ中のブログ集、また各個人のブログやUS・ヤフー・フリッカ・グループに出て、ニューズレターの媒体としての価値が殆ど消滅したため記事の材料が集まらず、新しい号は出ていない。しかしアーカイヴは興しろい。)

2011年3月18日金曜日

ティラー・テイマーとオートパイロット

ノウマッドのティラー下部。 Davis の [ティラー・テイマー] と Raymarine のオートパイロット用クランク型ブラケット双方を直列に装着している。

共にティラーにスルー・ボルトの孔を開けて装着。

孔のトップはカウンター・サンク(皿穴)+木のプラグで処理。


ティラー・テイマーのサポートを受け、オートパイロット稼動中。








尚、ティラー・テイマーは一般にはティラー・ロックと呼ばれるディヴァイスのひとつ。ラインが滑り、ロックし難い場合もあるというが、一般にティラー・ロックはビーム・リーチからクロース・リーチまでの間では使えるが、それ以上の上りではロックしないと言われている。また宣伝文句と違いオートパイロットのようにそれだけでいつまでも一定のコースを保ち続けるというものでもない。自動操舵の補助的な仕掛けと考えた方が良い。

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ノウマッドはシングルハンドでのロング・クルーズを予定しているので、これらもそれに備えた、大切な準備の一環。

しかし、今のところデイ・セイリングやショート・クルーズの範囲を出る予定の無いセレニティーではどちらも付けていない。幸いフル・キールのフリッカはポイントによってはこのような装置によらなくても手放しでコースを保って帆走出来る。それ以外ではティラーを指2~3本で軽くコントロールする。セイル面積やトリムを調整し艇のバランスを取ってそのように帆走できるようにするのもセイリングの醍醐味(一番おいしいところ)のひとつで、そちらの面を楽しんでいる次第。

***

尚、ティラー・ロックにはラインまで含め [全パーツを揃えたキット] もある。錨泊・係留時のティラーの動きを留める道具として重宝している人もあるようだ。

(写真はいずれもPSC製434艇中054番 Nomad です。)
フリッカ・パッセージのページ フリッカ各艇の長距離航行記録を載せるページ。(全6ページ、各ページ一番下の Next>> をクリック。)

2011年3月17日木曜日

ノウマッドのメインシート

フリッカのメインシートには[ブーム・エンド型とミッド・ブーム型] がある。しかし、1977~78年のフリッカはブーム・エンド型はブーム・エンド型でも、センター部分だけが2段になったスターン・プルピットの [下段にセット] (リンク先トップの写真)するようになっている。

MdRのフリッカ、ノウマッドもそのタイプ。このタイプはメインシートがちょうどヘルムズマンの首の高さにあり、邪魔になりやすい。

ノウマッドではその不都合をなくそうとバンジー・コードでメインシートのフィドル・ブロックを吊りあげている。





同時にシート自体もカラビナーで引いて吊り上げ効果を高めている。

その仕掛けの帆走中のクロースアップ。

バンジー・コードをどこから吊っているのか不明。




バックステイにヒッチしているのかも知れない。

興しろいのは風が強くなるとこのようにクリートから取った別のシートに荷重を掛け、本シートはレイジーにしている事。



このセカンド・シートのアイデアは、ブーム・エンド型シートのフリッカ全艇に共通して使える有効なブーム・コントロール法ではないだろうか。シートの角度からしてブームが浮くのをかなり抑えられそうだ。

(写真はいずれもPSC製434艇中054番 Nomad です。)
フリッカ・ホームページの歴代カバー写真

2011年3月16日水曜日

帆走中リグのダイナミズム

MdRのフリッカ、ノウマッド。ポートタックで帆走中。

ヘッドステイとジブのラフ。

風15~18ノット。








ヘッドステイがセイルからの荷重でしなって(落ち込んで)いるのが見えるだろうか。これでもバックステイ(ノウマッドはオフ・センターの1本式)のターンバックルを4回転余計に締め込んだ後。バックステイを締め込む前のヘッドステイはもっと落ち込んでいたという。

ノウマッドにはハルヤード用ウィンチがなく、これ以上ラフのサッグ(落ち込み)をなくすのは無理のようだ。

マストのSTB側へのしなり。

セイルからの荷重でスプレッダーから上の部分がSTB側にしなっている様子。



ウェザー(風上)のシュラウドのターンバックルを締めこむ前はこの2倍くらいしなっていたとの事。

マストのキャンバー(スターン方向へのしなり)。

バックステイを締め込んだ結果のしなり。




セイルはややフラットになる。伸びきった古いセイルなのでビームリーチ~上りではこのトリムが特に有効。

追い風で走るラニングの場合は逆にセイルの膨らみを少しでも大きくするためにバックステイを緩める。

***

ちなみにセレニティーでは上り下りでバックステイのテンションをアジャストすることはしないが、やはり [スターン方向にしなっている] 。6年前の購入時にアンステップ、横にして無荷重で観察した時も同様にカーブしていた。長年(22年+)の締め込みでその形が定着してしまったようだ。

(写真はいずれもPSC製434艇中054番 Nomad です。)
フリッカのリグ

2011年3月15日火曜日

配管: 清水タンクのヴェント・ライン

ポンプによるタンクからギャリーへの清水供給を常時スムーズに行うためには、水位の変動でタンク内の圧力が下がってはいけない。そのためタンクにはタンク内圧力を大気圧と同等に保つためのヴェント(通気)ラインが付いている。

清水の出て行く供給ラインはタンク前面=船首側底部の孔に装着されている( [リンク先一番下の写真参照] )が、ヴェント・ラインはタンク後ろの面=船尾側上部の孔に接続されている。

タンクはクォーター・バースの下にある。

クッションを取り除くとマリン合板製のタンクの蓋がある。蓋にあるのは密閉した清水注入口。











タンクの後方にある収納スペースの蓋を外したところ。

タンクのヴェント・ラインはここから覗き込んで撮影する。











タンク後方上部の孔から延びたシースルーのホース。

インボード側の合板壁に沿ってスターン方向へ。



尚、ホース下、中途半端に延びたファイバーグラスの切れ端はタンクのファイバーグラスではない。タンクをハルに留めるための一片の端。タンクのグラスではないことを示すために意図的に突き出させてあるのだと思う。また、タンク本体やインボード側の仕切りも含め、目につくところは白いペイントを塗布してある。(余談だが剥き出しのファイバーグラスは紫外線に弱いのでペイントまたはジェルコートでカバーすることが必要。)

ホースにもペイントが付いてしまっている。










ホースはずっと後ろへ延びて...











このスペースの最後尾に近いところで仕切りの合板に開けられた孔を通ってエンジン・ルーム側へ。














白く塗られた合板のエンジン・ルーム側に出て来たホース。

上の合板はクォーター・バースの床より上に見える合板。


ホースはエンジン排気排水用ホースと並んでトランサムとコックピット後部の壁の間のスペースを喫水線より上に上る。













ずっと上に延びたホースは艇のセンターラインの所で下に降りて来て、エンドがそのままエンジン・ルーム内にとどまっている。

一度高く上に上げたことにより、艇がどれほどピッチ(ロンジテューディナル=船首船尾方向の揺れ)しても、ヒールまたはロール(アスワートシップ=右舷左舷方向の揺れ)しても、このホースを水が通ることはないのでこれでOK。



(写真はいずれもPSC製434艇中295番 Serenity です。)
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