庇の方は装着を待つだけになったので [壁断面部] の補修作業を行う。
ダッシボードのネジ6本を外し、さらに配線のプラグ2本も外し、ダッシボードを完全に取り外す。(艇側のプラグの付いた配線の束は下に落ちない様、細紐で排気・排水ホースに結わえ付けてある。)
取付口の周りに付着していたシーラントの残留物もきれいに除去。
これから合板断面露出部に3種類のものを塗布する。
先ずその名もウッド・ハードナーという木の固化剤。
筆に含ませたウッド・ハードナーをコア合板にたっぷり浸み込ませるように連続して何回も何回も塗布する。
これにより木のファイバー(繊維)がレジン(樹脂)で固められ強化されると共に、上に塗るウッド・フィラーが固着しやすくなる。
木にたっぷり吸わせたハードナーが乾燥して固まった後、木の欠落した空洞部分に画面右側のフィラーを埋め込む。
ウッド・フィラーはエポキシ樹脂と言いたいところだが、ポリエステル樹脂に他ならない。テューブと缶に入った2種類の材料を混ぜると数分で固化する。(今回の作業に使った材料は全て昨年家の6つの窓のベースの修理に使用したものの残り。家の窓の下の木の腐食などの場合、腐食でカスカスになった部分は全て金属のツールなどで大胆に穿り出し、残りの未だ硬い木の部分にハードナーを浸み込ませた後、抉り出しで空いてしまった部分にフィラーを詰め込み、全体を整形・固化、サンディングしてペイントする。 [こちら] は窓のシャッターの腐食部分を同じ方法で修復している例。最初のコマーシャルをスキップした後、本編の00:25位から参照。)
木の欠損した部分にフィラーを詰め込み、ついでに合板断面全面をフィラーで薄くカバー。
(あまり厚く塗るとダッシボードが入らなくなる恐れがあるので薄く塗っただけ。) 固化した後軽くサンディングした。ポリエステルなので水は通さない。
さらに仕上げとして白いヨット・ペイント(バウスプリットに塗っている塗料)を塗って手当てを完了。
2時間程待ったが翌週末まで乾燥させることにし、外にカバーを掛けて帰る。
尚、下から2番目の写真で分かる様に、ネジ穴6ケの中、上の真ん中の穴はネジがバカになって利かなくなっていたので、フィラーで埋めた。ダッシボード取付時に改めてこの上にガイド・ホールを掘ってネジを入れる。
(写真はPSC製434艇中295番 Serenity です。)
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