昨日のサリシア。今日はそのキャビン内、リストア前と後の比較。
このフリッカはオーナー・コンプリーション・ボートだったので、PSCスタンダードのモールドで造ったファイバーグラス製内張り(ライナー)がない。
[BEFORE]
ハル内側のファイバーグラスがむき出しになっている。
オリジナル・オーナーはハルにフレームをエポキシで接着し、体の当たる部分だけ、その上にストレイク(細板)を張っていた。
[AFTER]
マスト・アーチの下、無用のコンプレッション・ポストは除去、代わりにギャリー前方にハンド・ポストを付けた。
室内の白壁部分はすべて油性塗料を塗布したもの。ハルの内壁は総板張りになった。
ハルには板を張る前にビルジ用の白いペイントを塗った。その上に厚さ3/4インチのマリン合板のフレームをファイバーグラスで覆って、エポキシで接着。そのフレームの上に幅2インチ、厚さ5/16インチのサイプレス(糸杉)の板を渡し、ネジ止めで張り詰めた。
このフリッカはサウス・カロライナ州のオリジナル・オーナーがバハマやバミューダにもクルーズしたベテランだ。
[BEFORE]
しかし、長年このような状態で放置されていた。
現オーナーが4年前にこの艇を見つけた時は、幾年にも及ぶ陸置き放置でビルジの水はあふれ、艇内にはネズミまで居たそうだ。陸置きになる前も長年係留放置されていたという。
[AFTER]
ポート(窓)は残らずプラスティック製からブロンズ製に換装。
プラスティック・ポートを取り外したところ、周りの合板が腐っていたので腐食した部分を削り落とし、濃いエポキシで埋め、その上に厚さ1/4インチの新しい合板を重ねたという。その上に白色油性塗料を塗った。カウンタートップは塗料ではなく、新しい白いフォーミカへの張り替え。
[BEFORE]
室内はほとんど全てと言って良いほど、剥がされ改修された。
***
この艇はオリジナル・オーナーに交渉し買い取ってから3年半後の2009年7月にリストアが完了、進水した。
マストやブームも補修、スタンディング・リギング、ラニング・リギングは全て新品に交換した。
ラダーをハル(船体)に取り付けるための金具、ピントルとガジョンも新しくブロンズで鋳造し換装。必要部分にドリルで穴を開けて装着。
(写真はいずれもPSC製434艇中050番 Salicia です。)
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