2009年5月31日日曜日

サイドの様子(Videos)

ちょうど一週間前、先週土曜日の霧の日のセイリング。北上中のルーサイドの様子をふたつ。久しぶりに短いブーム付きキャメラで撮影。(時間のない人は2本いっしょに見るのも良し。)





***

本日土曜日は青空の夏らしい天気だった。その様子は明日からでも。

(ビデオはいずれもPSC製434艇中295番目 Serenity です。)
USヤフー!フリッカ・グループ

2009年5月30日土曜日

下りと上り (Videos)




↑ ハンターズ・ポイント沖の湾央には貨物船の停泊域がある、



↑ Uターンして南に向かうところ。風速も波高も来た時と変わらないが、見ての通り、上りになると環境が一変したように感じられる。



↑ 振り返って見た時の航跡。ヒールしている時はこんな風に片舷の航跡だけが目立つ。

(ビデオはいずれもPSC製434艇中295番目 Serenity です。)
フリッカ・ホームページ

2009年5月29日金曜日

キャンドル・スティックの南 (Videos)




キャンドル・スティック・ポイントのすぐ南、マリーナからは2マイルほど北の地点。暗くて一見今にも雨が降りそうだが、単なる薄い霧(マリーン・レイヤー)が上空を覆っているだけ。



この時風速約9ノットで艇速4.8ノット。メインはシングル・リーフ、ワーキング・ジブはフル。航跡の幅が広いことからも艇が殆どヒールして(傾いて)いないことが分かってもらえると思う。ちなみにフリッカのビーム(最大船幅)は8フィート。

(ビデオはいずれもPSC製434艇中295番目 Serenity です。)
フリッカ・ホームページのフリッカ登録データベース

2009年5月28日木曜日

バウ (Videos)

土曜日のセイリングからバウ・ウェイブ、3点。





フリッカはバウスプリットを基軸にしたプルピットが付いているのでそこに腹ばいになってバウが進んで行くのを見ていると気持ち良い。



(ビデオはいずれもPSC製434艇中295番目 Serenity です。)
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2009年5月27日水曜日

続いて北上中 (Videos)




↑ ルー(風下)。風は南南西から。北に向かっているからブロード・リーチ。連れ潮なので対地速度は4.8ノットある。



↑ ウェザー(風上)。波の来る方向と風向きが殆ど一致している。ラン(真くだり)のような静けさ、快適さ。



↑ キャビン・トップからアスターン(船尾方向)とアフォア(船首方向)。直射日光がないので過ごしやすい。

(ビデオはいずれもPSC製434艇中295番目 Serenity です。)
フリッカ・ホームページ

2009年5月26日火曜日

パピヨンのコンパニオンウェイ・ハッチ

コンパニオンウェイ(メイン)ハッチにはファイバーグラス製とティーク張りの2種類がある。本日は後者の話。PSC製のフリッカ246番のパピヨンは1983年製、四半世紀以上経って、内部に使われているマリーン合板が腐ってきた。

右側のティーク3枚を剥がしたところ。下はマリーン合板。








ティーク板を全部剥がし、土台のティーク製木枠も外した。








磨いたティーク製木枠に新しいマリーン合板を貼り付けた。









その上に磨いたティーク板を取り付けていく。










取り付け完了。












ニス塗りを重ねて修復完了。











同、別アングル。

これはパピヨンの新オーナーが [冬のシー・トライアル] を経て購入後に行ったメンテのひとつ。



(写真はいずれもPSC製434艇中246番目 Papillon です。)
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2009年5月25日月曜日

霧 (Video)

今週末土曜、シリコン・バレーは晴れていたがサンフランシスコ空港辺りから北は霧。普通カリフォルニアでは、霧は昼過ぎまでに 「霧消」 という言葉がピッタリくるように消えてしまうのだがこの日は一日中このような天気だった。



いつものコースを北進中。霧のため日差しが弱いので心地良い。この時点で風は約10ノット、波は2-3フィート。見ての通り、潮はわずかに連れ潮のエッブ(退き潮)だ。

ビデオ撮りをするためメインは早くもダブル・リーフしている。(夏のSF湾では午後時間が経つにつれて風が強くなってくる。)

(ビデオはいずれもPSC製434艇中295番目 Serenity です。)
www.yachtworld.com SEARCH ボタンの上の欄に Flicka と入力、検索するとリストアップされます。

お詫び: 不本意ながら、Bloggerサイトの事情で、過去2日間掲載ができませんでした。

2009年5月22日金曜日

セントラル・ベイ (Videos)

1時間ちょっと前、ベイ・ブリッジの下をくぐってセントラル・ベイからサウス・ベイに入って来た貨物船が湾内に錨泊(サウスベイの中央線に沿って本船錨泊指定海域がある)、役目を終えたタグ・ボートが引き返して来る。

セントラル・ベイとは西の 『ゴールデン・ゲイト』、東の 『ベイ』、北の 『サンラファエル・リッチモンド』 の3つのブリッジに囲まれた海域を指す。この3つの橋の下を順番はどうでも良いから全部通過すること、というルールのヨットレース 『3-Bridge Fiasco』 もある。



セレニティはファイナンシャル・ディストリクトを左舷に見ながらブリッジの下を通過。ベイ・ブリッジは2階建て。東行きの車は下の道路、西行き(サンフランシスコへ)は上を通る。

高層ビル群の右端に見えるのがフェリー・ビルディング。その後方、画面では見えないがフィッシャーマンズ・ワーフ、マリーナ・ディストリクト、さらにゴールデン・ゲイトと続く。



タグ・ボートの進行方向正面に見える島は国の公園、エンジェル・アイランド。セレニティは風がないのでUターンして帰る。

この辺りはまたいつか風のあるときに撮影しよう。

(ビデオはいずれもPSC製434艇中295番目 Serenity です。)
フリッカ・ホームページのフリッカ登録データベース

註: 下のラベルは帆走(ビデオ)。あしからず。

2009年5月21日木曜日

パワーボート (Video)

このスポーティなパワーボートはゲストがフォアの座席に座れる所謂バウ・ライダーと呼ばれる小型のボートをずっと大きくしたもの。これも昨日の飛行船と同様、観光客相手の商売。



昨年から現れたが、いつもわざとらしく大げさに周りの船艇にはお構いなく、湾内を勝手に走り回る。客はスリルを味わっているのだろう。

しかし、フェリー・ビルディングと湾岸各地を結ぶ高速フェリーの曳き波に比べると、これも大したことはない。

(ビデオはいずれもPSC製434艇中295番目 Serenity です。)
フリッカ・ホームページのフリッカ登録データベース

註: 下のラベルは帆走(ビデオ)。あしからず。

2009年5月20日水曜日

だんだん近づく (Videos)

ベイ・ブリッジの上を観光用の飛行船が飛んでいる。



ブリッジのすぐ左(南)の地区、サウス・ビーチ。黒っぽく見える画面左の野球場とブリッジの間には市営のマリーナ、[サウス・ビーチ・ハーバー] がある。

小額のお金を払ってウェイティング・リストに名前を登録し、もう3年以上空きを待っている。あと1-2年で入れるのではと期待している。(30フィート、34フィートの各バースのリストに載っている。どちらか空きが出たら、このスリップは場所がちょっと、などど文句を言わず、即入る。そうでないとまたリストの一番下に名前が移動する。)



ベイ・ブリッジの両側はベイ・エリア各地とSFを結ぶ海上交通、フェリーが頻繁に行き交うところ。これは東岸のアラミダからのフェリー。ブリッジの根元の向こうにフェリー・ビルディングがある。空港に近いマリーナを出てここまで約2時間弱。

(ビデオはいずれもPSC製434艇中295番目 Serenity です。)
フリッカ・ホームページ

註: 下のラベルは帆走(ビデオ)。あしからず。

2009年5月19日火曜日

ベイ・ブリッジへ (Videos)

少しづつ、近づいて行く。

ヤーバ・ブエナ島の手前、ベイ・ブリッジをくぐってサウス・ベイに入って来た本船は、コンテナ船ではなくバラ積みの貨物船。後ろにタグ・ボートが付いているがここからでは見えない。この類の船は岸壁に付けず、湾内に錨泊、種々小型船が近づいて来て、荷卸しをすることが多い。



市街地の左、横に長く黒っぽく見えるのは本船用の修理・メンテ用ドック。そのすぐ右、グレーっぽく見えるのがジャイアンツの野球場、AT&T Park。



二人とも長いシャツに長いジーンズをはいている。その方が涼しい。肌をさらすとすぐ茹でダコになる。



海面に少しフラッド・タイド(満ち潮)の気が見えてきた。

肉眼でしか見えないが、ブリッジの向こう、セントラル・ベイ(バークレーの西あたり)に多数のヨットが出ている。週末だからレガッタだろう。残念ながら風もなく直立している。がまん。がまん。

ちなみにSF湾の風は [ここのサイト] で。1時間に一度アップデートされる。画面内の地点をクリックすると、右下(時間のテーブルの右)に風速がノットで表示される。

(ビデオはいずれもPSC製434艇中295番目 Serenity です。)
USヤフー!フリッカ・グループ

註: 下のラベルは帆走(ビデオ)。あしからず。

2009年5月18日月曜日

機走 (Videos)

ヤンマー1GM10、3000rpmで4.2ノットの機走。帆走とちがい、エキサイティングではないが、平和なウォーター・フロントを南からベイ・ブリッジに向けて北上してみる。

週末土曜日。カリフォルニアの青い空。完全に夏空。しかし、どうしたのか正午を過ぎても見ての通り風はなく、海面は鏡のようにフラット。



↑ マリーナ北方約3.5マイルのところ。暑い。しかし海上に出られるだけでも気がまぎれる。



↑ 同約4マイル地点。この緑のブーイー(ブイ)は5番だが、本船用なのでヨットのようなスモール・クラフトには関係ない。ブーイーの根元を見ると、満ち潮(フラッド)にしろ退き潮(エッブ)にしろ、わずかの潮流でも確認できるが、この時はどっち方向にも流れは見えなかった。完全なスラック(潮止まり)の状態。

(ビデオはいずれもPSC製434艇中295番目 Serenity です。)
USヤフー!フリッカ・グループ

註: 下のラベルは帆走(ビデオ)。あしからず。

2009年5月17日日曜日

はずれ (Video)

本日土曜日、気温の予報は大当たり。風の予報は大はずれで3時過ぎまで殆ど無風状態。

と言うわけで、帆走はなし。ともかく並大抵の暑さではなかったので、機走で海上を走って少しは涼しさを感じることにした。そのベイブリッジまで北上のビデオは整理後にアップロードすることにして、本日は一週間前の最後の一本。



来週は待ちに待った(日本のように頻繁に来るわけではない、貴重な)3連休。待ち遠しい。

(ビデオはPSC製434艇中295番 Serenity です。)
Flicka20_Japan

2009年5月16日土曜日

バウ (Videos)

いずれもまだ先週の土曜日の様子。



バウ・ウェイブも元気が良い。



今週末は気温が32-33℃くらいという予報が出ている。夏だ。風も最低15ノットは出るというし、月の半ばで潮も北上南下にうまく合っている。楽しみだ。

(ビデオはいずれもPSC製434艇中295番目 Serenity です。)
Flicka20_Japan

2009年5月15日金曜日

ドロップ・ボード流出防止

シングルハンド・トランズパックなどのレースではすべての差し板について流出防止対策を施していることが、GPSを少なくとも2台装備していることなどと合わせて、参加条件のひとつになっている。













何度も書いたが、1983年以前のフリッカにはブリッジ・デッキがなく、コンパニオンウェイが深く切り込んでいるので、通常一番下のボードはセイリング中差したままにしておく場合が多い。外洋レースに出るまでもなく、荒天時に備えてこの対策は必須だろう。

このような閂(かんぬき)方式でなくとも、アイのついた木ネジを板にもキャビン側にもねじ込んで、ナイロンやダクロンのラニヤード(細紐)を通して結んでいる人たちもいる。いずれにしろ転ばぬ先の杖、諸氏も流出防止策は怠りなく。

尚、この写真、真ん中の開閉自由なポートがついていることで覚えている人もいるかもしれないが、実は [この写真] のコンパニオンウェイを内側から見たところだ。

(写真はPSC製434艇中079番目 Baby Grand です。)
フリッカ・ホームページのフリッカ登録データベース

2009年5月14日木曜日

重量艇の醍醐味 (Videos)

フリッカは12-13ノットの風で調子を上げ、15ノット以上の風の中を喜んで走る。いつものようにワーキング・ジブとダブル・リーフのメイン。



ウェザー。

ティラーに手を置かなくても直進する。



ルー。

安定感は抜群だ。乗っているのが楽しい。

(ビデオはいずれもPSC製434艇中295番目 Serenity です。)
USヤフー!フリッカ・グループ

2009年5月13日水曜日

続々 (Videos)

5~10月頃までのシーズン中、SF湾の風は大体2時以降が一番強い。



これは2時半くらいだが、これからが本番だというので続々とベイ・ブリッジとゴールデン・ゲイト・ブリッジ間のいわゆるセントラル・ベイに向けて出て行く艇も多かった。



小生どもは歳とともにのんびり派になって来た。2~3日のショート・クルージングの時は別だが、デイセイリングの場合、干満の潮のタイミングが合っている時を除いて、ほどほどに楽しんで早めに切り上げることが多くなってきた。それでもシーズン中は申し分のない帆走を楽しめる。

(ビデオはいずれもPSC製434艇中295番目 Serenity です。)
フリッカ・ホームページ

2009年5月12日火曜日

オリンパスで撮影 (Videos)

天気が悪いのではない。



昨日、一昨日のビデオはキャノンで撮影。本日からの分はオリンパス。後者は防水、耐ショック性に優れているが、何せただでも画質が悪い。それにメモリーを小さくするため毎秒15コマの設定にしてある。



さらに、問題は露光。これでもかと言わんばかりに露出・露光がどういうわけか-2.0の設定になっていたので、完全に露出不足。というわけで大変な画質になってしまった。申し訳ないがしばらくこれでお付き合い願いたい。

(ビデオはいずれもPSC製434艇中295番目 Serenity です。)
フリッカ・ホームページ

2009年5月11日月曜日

ハンターズ・ポイントあたりを南下 (Videos)

西側の半島にある山のせいで比較的穏やかな風域。(本日の2本はいずれも昨日のビデオより1/4マイルほど北の地点。時間的には昨日のものよりこの2本の方を先に撮影した。)



↑ コンテナ荷役用ギャントリー・クレインの3倍位はありそうな巨大ギャントリー・クレインのある所がハンターズ・ポイントの旧海軍工廠ドック。



↑ セレニティのバックステイは逆Y字型のスプリット・ステイ。1980年代前半のPSC製フリッカの特徴。

(ビデオはいずれもPSC製434艇中295番目 Serenity です。)
Flicka20_Japan

2009年5月10日日曜日

ハンターズ・ポイント (Videos)

マリーナから4マイルほど北のハンターズ・ポイントあたり。この周辺はつい15~16年前まで海軍の整備ドックがあったが、今は誰も使っておらず、建物も殆ど廃墟になっている。キャンドルスティック・ポイントのすぐ北隣り。



ウェザー。13~15ノットの程良い風。



ルー。メインはすでにダブル・リーフしている。

(註:ポイントとは岬のように大規模ではないが、海に突き出ているところ。SF湾内には○○ポイントと呼ばれるところが多い。)

(ビデオはいずれもPSC製434艇中295番目 Serenity です。)
Flicka20_Japan

2009年5月9日土曜日

ゴールデン・ゲイト


SF湾の北西、ソーサリート方向は良い天気。










(今日の写真はどれも大判なのでクリックして参照されたし。)

すぐ南西のゴールデン・ゲイトは霧。











潮見表を見て、退き潮の終わり頃から潮止まりの頃合を見て出なければ、帰りに滞留してしまう。





会社勤めの人間にとってはセイルできるのは通常週末の一日だけなので、空港近くからの片道4時間の行程と潮のタイミングが合う日はめったにない。SF湾内は風の強さ、周りの景色など、世界でも指折りの好条件を備えたセイリング・ヴェニューなのでわざわざ太平洋へ出て行くこともない。ということでGGからは足が遠のいている。

(写真はいずれもPSC製434艇中295番目 Serenity です。)
フリッカ・ホームページ

2009年5月8日金曜日

テキサスのフリッカ




1980年製。シー・フッドはオプションで付けていないが、メイン・ハッチは旧型。バウスプリットを固定するスルー・デッキのボルトは3本。(1990年代のフリッカでは2本。)



インテリアは個室ヘッドのない、いわゆるオープン・レイアウト型。ポータ・ポッティ(ポータブル・トイレ)はVバースに見当たらないがバケツで代用しているのだろうか。(バケツは昔から良く使われている。)



標準的な、ブームエンド型メインシート・セットアップ。ブリッジデッキのない、深いコンパニオンウェイが良く見える。船外機仕様なのでエンジン・ルームはバッテリーが置いてある他は空っぽで、収納スペースも多いだろう。



帆走中これくらいの位置からカイト・キャムで撮影するのも興しろいかも知れない。



ヒューストン、だろうか。

(写真はPSC製434艇中、番数艇名未確認、1980年製のフリッカです。)
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2009年5月7日木曜日

細くて強いダイニーマ

フリッカ・ホームページの管理人アンガス・ベア-ズのフリッカはPSC製423番艇。



地中海をシングルハンドで駆け巡るアンガス。



ダイニーマ (Dyneema) は素材のトレードマーク。ジェル状のポリエチレンをスピンさせてファイバー(繊維)を作るその方法が特許になっている。この方法で作られたファイバーは「強度は鋼鉄の15倍、伸びない、摩擦に極めて強く、紫外線、湿気、化学薬品にも強く、水よりも軽い、云々」と、ハルヤードにはまさに打って付けの、夢のような素材だ。ヘルメットなど他の製品にも使われている。

ダイニーマをつくっているDSM社のサイトは [こちら]

ライン(ロープ)自体はニューイングランドロープ社その他で作られているが、値段が特別高いわけではなく、近年ハルヤードを交換する人は殆どこの素材のものを選んでいるようだ。

(写真はPSC製434艇中423番 Caraway です。)
Caraway Home Page

2009年5月6日水曜日

シアトルのシークラフト・ヨット

このフリッカは昨日のすばらしいコンディションのキット・ボートの横に見えていたファクトリー・フィニッシのフリッカ。



1981年製。80年代のトレードマーク、楕円形のブロンズ製ポートが付いている。



シークラフト・ヨットのセールス・ドックに係留された同艇。外観だけだが手入れも悪くなさそう。スターン・プルピットは80年代前半の一段式。83年以前の艇なのでブリッジデッキはなく、コンパニオンウェイの切り込みが深い。

興しろいのはラダーに付けられたトリム・タブ。この写真ではその全容が見えないが、トリム・タブはラダーの後ろに装着した小さなラダー状のもので、主にウェザーヘルムやルーヘルムを打ち消すために使う。(ウィンドヴェインの付いた艇ではトリム・タブを使って舵取りをするものもある。)



このフリッカの登録はMEで始まるから東海岸のメイン州。オーナーの引越しのため大陸を横切ってシアトルに来たと言う。そのオーナーがまたメインに引越すために売りに出されたそうだ。

見てのとおり、シークラフト・ヨットのドックはフリッカを始めPSC艇であふれている。シアトル一帯(パシフィック・ノースウェスト)はPSC艇が多いが、新艇の殆ど全部がここで販売されたもの。無論このように次のオーナーを待っている艇も多数。

シアトルは日本から一番近いし、成田あたりから一っ飛びしてボート・ショー感覚の週末(+マリナーズ?)を過ごすというのも良いかもしれない。

日本のフリッカ・オーナーにはここを通して輸入した人もいる。

(写真はPSC製434艇中、番数艇名未確認、1981年製のフリッカです。)
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2009年5月5日火曜日

キット・ボートのイクステリア

これは昨日インテリアを見たフリッカ。



1979年製とは思えないほど艇の状態が良い。整理整頓されたラインも、メンテやアップデートがしっかり行われているウッド、ドジャー、セイルカバー、バルクヘッドにある計器類も、すべてオーナーの性格を伺わせる。こういうセイラーならいつでも安全で楽しいセイリングをしているにちがいない。

ちなみにポート側の隣の艇もフリッカ、また奥に写っている艇もすべてPSC製のヨットだ。それもそのはず、ここはシアトルのPSCディーラー、シークラフト・ヨット社のドック。

尚、シークラフト・ヨット社はPSCが東海岸に移る前、デイナ24の製造も引き継いでいる。(以来もう1年以上になるが、実際に何杯製作したかは不明。)



スターン・プルピットの上に付けてあるのはバーベキュー・グリル。このフリッカは1979年製であるにもかかわらず、スターン・プルピットは1980年代後半からの2段式を使用している。これもアップデートで、後年、付け替えたものと思う。

カバーが被っているが、ティラーの上をクロスするように仕込んであるのはメインシート・トラベラーだ。通常1979年製など初期のフリッカでは、プルピットの真ん中部分だけが2段式になっており、下のステンレス・パイプを使ってトラベラーにしている。

船外機は4ストロークのホンダ8。コントロールは船内機の場合と同様にコックピット内にあり、操作は簡単という。(後記:船内機用に使っていたものを流用。)

すぐ奥に写っているのはPSC31かと思ったが、ポートの数(4個)からデイナ24。

(写真はPSC製434艇中、番数艇名未確認、1979年製のフリッカです。)
フリッカ・ホームページ

2009年5月4日月曜日

キット・ボート

俗にキット・ボート、正式にはオーナーが完成させる 『オーナー・コンプリーション・ボート』。

沖縄の頼丸もそうだが、オーナー・コンプリーション・ボートには、特にキャビン内のレイアウト、造作などユニークなものが多い。

本日の写真のフリッカは、ハルとデッキだけPSCから購入、インテリアは全部プロに依頼して造ったものだそうだ。

通常セッティーにあるところには向かい合って座れるテーブル。場所を取る個室ヘッドはない。





文字通りのV字型切り込みのついたVバースも目を引く。

天井はウッドの張り込み。










トリム、ビーム、ポストはティーク () だが、天井そのものはアッシ、バーチ、メイプル、ファー、イエロー・パイン、それともレッドウッド?(**

マストの下部分には両舷ともバルクヘッドとポストが品良く仕込まれている。







ギャリーのアレンジはオーナー好みで、前に行くほど細くなる船幅のちがいを考慮して、大きめのシンクをアフトに、2口コンロはフォアに置いている。

ヘッドはポータ・ポッティ(簡易トイレ)だという。クォーター・バース、または、テーブルの下、フォアのベンチの中にあるのかも知れない。

***

後記: PSCは1978年にフリッカを造り始めた当初からおそらく1983年頃までは、オーナー・コンプリーション・ボートを販売していた。完成度はオーナーの注文によって、ベアーのハルとデッキだけ、という状態から、いろいろ段階があったという。

完成艇の場合でもレール、ハッチ、コーミングの上などをティークにするか否かを含め、リグのタイプ、エンジン、ポート、クリート、セイルなど幅広いアイテムについてオプションがあり、さらに1983年後半くらいからデッキ・モールドのデザインや内装の変更、バックステイのコンフィグの変更などが加えられたため、フリッカにもいろんなフリッカがいる。

***

後日註: トリム、ビーム、ポスト等はティークではなくホンデュラス・マホガニーだという。
** 後日註: 天井の張り込みに広く使われている板はファー(モミ)だそうだ。

(写真はPSC製434艇中、番数艇名未確認、1979年製のフリッカです。)
フリッカ・ホームページ

2009年5月3日日曜日

フリッカ @ ポリネシア


このフリッカはパシフィック・シークラフト (PCS またはPSC と省略される) のリーフレットに掲載されたムーリアに停泊中のアルスビッド。


(PSC リーフレットは [こちら]

アメリカから南太平洋、フランス領ポリネシアを訪れたフリッカたち:
(1)  カワバンガ!
(2)  ティカロア
(3)  ライ・ルー

他にも Betty Jane、Elea、Windward Pilgrim など少なくとも3杯以上の初期フリッカが南太平洋までクルーズしている。

(写真はPSC製434艇中007番目 Alsvid です。)
フリッカ・ホームページ

2009年5月2日土曜日

セレクティッド・リスクス

セレクティッド・リスクス = 自分で選択したリスク、とはこのフリッカの名前だ。このフリッカも南アフリカ生まれ(1993年~1994年)。

プロファイルでは特徴のあるキャビントップが目に付く(コンパニオンウェイ・ハッチの部分が盛り上がっている)。




これだけで全体の印象が随分変わるものだ。背が高くなった影響で艇も全体的に小さく見える。

船外機はヤマハの5馬力。









フリッカは普通180cm位までならキャビン内に立てるが、この男は身長2メートルはありそうな大男。キャビントップは見てくれはともかく、体に合わせたのだ。

バックステイは左右に1本づつ、計2本。トランサムに小さなバンプキンをつけて艇外に延ばしてある。スターン・プルピットはブーム・ギャローズにも使えそうなホース(馬)型。

南アフリカ製フリッカは各舷3本づつのシュラウド用チェインプレートの設置間隔が大きい。






バウにプルピットはない。バウスプリットは前方に突き出している部分だけでPSC製より30-40㎝は長い。装着法は昔の帆船と同じだ。デッキ上にも長く伸びている。

ハルは以前出てきた南アフリカ製フリッカの自作艇2杯と基本的に全く同じ。
(1)  ピノッキオ
(2)  キャビンのないフリッカ

木をメタルでカバーしたようなバウスプリット。










バウ両舷に SR セレクティッド・リスクス と書かれたこのフリッカ、実はシングルハンドで [世界一周に出発] したが、出発後日も浅い中、バッテリー充電用のガソリン発電機から火事になり、火傷を負い、消火器からの粉末の臭いが充満したキャビンにも戻れなくなったので、航海を続けることを断念せざるを得なかった、という経歴を持っている。(発電機が稼動中に燃料のガソリンを発電機のタンクに注ぎ足そうとした全く基本的な過ちが原因。)

その当時のキャビン・トップには大男用の嵩上げは見られない。ヘッスルも2枚のカター・リグ。(今でもリグはあるようだが、イナー・ジブはセイル・ロッカーにしまい込まれているようだ。)

(写真は南アフリカ製フリッカ3号(?)艇、Selected Risks です。)
フリッカ・ホームページのフリッカ登録データベース

2009年5月1日金曜日

自作ドロップ・ボード

このフリッカはブリッジ・デッキがなく、コンパニオンウェイが低く切り込んであるデザインであること、スライディング・ハッチが旧型であること、などから1983年以前に造られた艇であることが分かる。

ドロップ・ボードは直訳すると落とし板、つまり差し板。ウォッシ・ボード、洗濯板と呼ぶ人もいる。

このドロップ・ボード、通気を考えて、真ん中が開くようになっている。





一番下のボードには明り取り+コックピット観察用のポート(窓)が付いている。しかしコンパニオンウェイを完全に閉める時はどうやるのだろう。真ん中、縦のつっかえ棒を外し、外へ出した庇、実は横になった真ん中のボード(?)をちゃんと差すのだろうか。

上のボードの上には余分の一枚(?)が付いている。これは艇を離れる時は外すのではなかろうか。そうでないとボードをハッチにロックできないように思う。

ではこの一枚、いったい何のために付けてあるのか。ボードを全部外した時、何かの仕掛けでボード三枚+この一枚をつなげるようになっており、一番上のハンドル部分を握って簡単に持ち運ぶのが目的か。

***

左舷側バルクヘッドに付けた自作オーガナイザーが興しろい。その上につけたセルフ・テイリング・ウィンチは大は小を兼ねるとばかり、ハルヤード用には過分なほど大きい。

コックピット・コーミングの上、またラザレットのフタにもティークのトリミング。コックピット・ソール(床)の上もティークのグレイトが置いてあるようだが良く見えない。いずれにせよ、ファーバーグラスの白とウディーなティークがマッチして心地良さそうだ。

(写真はPSC製434艇中079番目 Baby Grand です。)
USヤフー!フリッカ・グループ