セレクティッド・リスクス = 自分で選択したリスク、とはこのフリッカの名前だ。このフリッカも南アフリカ生まれ(1993年~1994年)。
プロファイルでは特徴のあるキャビントップが目に付く(コンパニオンウェイ・ハッチの部分が盛り上がっている)。
これだけで全体の印象が随分変わるものだ。背が高くなった影響で艇も全体的に小さく見える。
船外機はヤマハの5馬力。
フリッカは普通180cm位までならキャビン内に立てるが、この男は身長2メートルはありそうな大男。キャビントップは見てくれはともかく、体に合わせたのだ。
バックステイは左右に1本づつ、計2本。トランサムに小さなバンプキンをつけて艇外に延ばしてある。スターン・プルピットはブーム・ギャローズにも使えそうなホース(馬)型。
南アフリカ製フリッカは各舷3本づつのシュラウド用チェインプレートの設置間隔が大きい。
バウにプルピットはない。バウスプリットは前方に突き出している部分だけでPSC製より30-40㎝は長い。装着法は昔の帆船と同じだ。デッキ上にも長く伸びている。
ハルは以前出てきた南アフリカ製フリッカの自作艇2杯と基本的に全く同じ。
(1) ピノッキオ
(2) キャビンのないフリッカ
木をメタルでカバーしたようなバウスプリット。
バウ両舷に SR セレクティッド・リスクス と書かれたこのフリッカ、実はシングルハンドで [世界一周に出発] したが、出発後日も浅い中、バッテリー充電用のガソリン発電機から火事になり、火傷を負い、消火器からの粉末の臭いが充満したキャビンにも戻れなくなったので、航海を続けることを断念せざるを得なかった、という経歴を持っている。(発電機が稼動中に燃料のガソリンを発電機のタンクに注ぎ足そうとした全く基本的な過ちが原因。)
その当時のキャビン・トップには大男用の嵩上げは見られない。ヘッスルも2枚のカター・リグ。(今でもリグはあるようだが、イナー・ジブはセイル・ロッカーにしまい込まれているようだ。)
(写真は南アフリカ製フリッカ3号(?)艇、Selected Risks です。)
⇒フリッカ・ホームページのフリッカ登録データベース