2012年2月7日火曜日

テキサス州の自作フリッカ その後

『ミシガン州の自作フリッカ その後』 として取り上げて来たシリーズの続き。ミシガンのオリジナル・ビルダー/オーナーからテキサスの現オーナーに引き取られて作業が続いているのでタイトルも本日より変更。

室内のティーク張り作業もかなり仕上がって来た。フォアからコンパニオンウェイを見たところ。

階段(ニス塗りはこれから)は引き出し付き収納スペースになっている。ローラーが付いていてエンジン・アクセス時は階段全体をずっと手前に移動させるのだろう。少し手間がかかりそうだ。





コンパニオンウェイ入口からフォアを臨む。

ソール(床)の一部はグレイティング(スノコ)になっているので階段にローラーが付いているとすれば嵌り込まないか心配。

それにしても20フィート艇ながら室内にこれだけ造り込めるのはフリッカならではだろう。





(写真は元々ミシガンで建造され、テキサスで仕上げ中の自作フリッカです。)
フリッカのスペック

2012年2月6日月曜日

福山近在のフリッカ エンジン

このフリッカは1983年製なのでファクトリー搭載エンジンは1GM(7.5馬力)だ。1GM10(9馬力)は1985年製頃から搭載されている。

1GM10は1GMのシリンダーのボアを大きくして馬力を大きくした。








ボアが大きくなった分シリンダー・ヘッドのジョイント部からウォーター・ジャケットの水がエンジン・ブロック内に入り易くなったのでボアやリングが錆び易いという人も居る。その点、元々のデザインである1GMの方が堅固に出来ていると言うことだろうか。しかし [こちら] の数値の比較では1GM10の方が6kgも重いようだ。その差はどこから来るのだろう。

尚、部品は殆ど共通だがエアー・フィルターのエレメントが違う旨記述している人もあり、上記リンク先にオルタネーター出力やそのベルトが違っていそうという記事もあるので、部品購入時は確認の必要有り。

PSSドリップレス・シャフト・シール。











定期的なパッキング・グランド(グラン・パッキン)のナットの締め直しやパッキン交換も不要で、ビルジもドライに保てるため人気が高いのも頷ける。

セレニティーでもこれに交換しようと考えたこともあったが、パッキンもドリップの少ないものが出ているし、何と言ってもパッキング・グランドの場合最悪の事態(大量のリーク)が発生しても艇が一気に沈没するようなことはないのでこれからも旧来のスタッフィング・ボックスのままで行こうと思っている。

(写真はいずれもPSC製434艇中259番、艇名不詳、1983年製のフリッカです。)
USヤフー・フリッカ・グループ

2012年2月5日日曜日

福山近在のフリッカ インテリア

Vバース両舷の棚の転落防止用バー(ストレイク)はオプト・アウトしたのだろうか、付いていない。インテリアのポスト(柱)は1980年代半ばのPSC製に特有の丸い細工を施したもの。しかしVバース上の収納のドアは背丈が高い。当時PSCはまだデザインを模索していたのだろうか。

そのドアに貼ってあるのは金比羅さんのお札のようだ。ドアの右舷側には時計、左舷側にはフレームに入れたフリッカのクロス・セクション(断面図)。

室内のティークはオイル仕上げと思われる。何年も前にニスで仕上げたような跡も見えるが、写真のせいだろう。



フォールディング・テーブルの脚は装着法を変えたようだ。全容が見えないのが残念。キャビン側壁の室内灯は両舷ともにティークで造作されたカスタム品。天井の室内灯もティークのボックス型のようだ。

テーブルを畳んだところ。

アイスボックス前のカボードのドアは後のフリッカのものより小型だ。




ソール(床)は何がしかのカバーで覆ってあるが詳細は不明。

レンジの前の棚の高さはスピーカーに合わせて調整済み。








配電盤の下にクォーター・バース出入り用のティーク製グラブ・バーが装着されているが、ラインやタイを掛けておく場所として便利なようだ。

個室ヘッド内部。












ヘッド後ろのセイル・ロッカー(ウェット・ロッカー)は見ての通りカバーを付けて救命胴衣格納場所となっている。棚に置いてあるのは直流交流(DCAC)変換用のインヴァーター、もしくは陸電取り込み用のACDCコンヴァーターらしい。

(写真はいずれもPSC製434艇中259番、艇名不詳、1983年製のフリッカです。)
日本のヤフー・フリッカ・グループ

2012年2月4日土曜日

福山近在のフリッカ トップサイド

この辺りの瀬戸内海の水は結構きれいなようだ。

PSC製フリッカのバウスプリットはホワイト・オークかダグラス・ファー製なので塗装無しでは腐食することが多い。特に日本の様に多雨の地域では交換が必要になる。

このスプリットはプラットフォームと同じティークで作り直したものなのか。







それともファクトリー製特有の合わせの線が見えるのでファクトリー・オリジナルなのか。オリジナルがペイント無しでここまで持ったとすればカバーを掛けていた、オフ・シーズンは陸置きで艇全体をカバーしていた、瀬戸内だから雨が極端に少ない、などの理由があるのだろう。

フォアデッキのクリートはセンターライン上のオリジナルの1本に加え、オーナーが1本追加したようだ。アスワートシップ方向に付け、オリジナル物と合わせT字型になっている。1本追加する場所としては参考になる。尚、ティークを多用している中で、ガナルのトー・レイルだけはティークではなくアルミニューム。

マストからコックピット前まで引いたラインはメインとジブのハルヤードだろう。







シェイファーのデッキ・オーガナイザー(一連のターニング・ブロック)もティークでカバーしてある。

コックピットのティーク・カバリング。










一度全部をベアウッドまでサンディングしてアルコール清拭し、メインハッチとコンパニオンウェイ周りのトリムのみニス、セトール、エピファン等を塗布すると見違えるようになるだろう。コーミング・トップの上も塗って構わないが、シートとソール(床)だけは安全性の点からベアーのままが最適。ニス等を塗布すると水に濡れた場合ツルツル滑って危ない。

(写真はいずれもPSC製434艇中259番、艇名不詳、1983年製のフリッカです。)
フリッカ・ニューズレターのページ

2012年2月3日金曜日

福山近在のフリッカ

広島・岡山県境に近い瀬戸内海のフリッカが売りに出された。1983年製だがデッキは261番艇以降の新型モールドで造られている。状態も良いようだ。

航海灯は現オーナーが付け直したらしく視認性の良いプルピット・レイルの両舷に設置されている。





その後ろに提げてあるのは銘板か。良く見るとこの艇は所々さり気無くカスタマイズされている。例えばシアーラインに沿って装着したティークのストレイク。フリーボード(乾舷)を低く見せるためこの部分にペイントでストライプを入れたセイルボートは多いが、このストレイクは昔の木造船の血を引いていて粋だ。

その効果か、プラスチック製の長方形ポートライトも収まりが良く、きれいなプロファイルを見せている。




メイン・ハッチはティーク製。さらにキャビントップのウィンチ・ベース、コンパニオンウェイ周りのトリム、ブリッジ・デッキも他のフリッカに見られないカスタムの造作となっている。

ティーク・ストレイクはトランサム上部にも仕込まれている。極め付けはトランサム装着の銘板とそのベース。




伝統的スタイルがフリッカにピッタリ。またコックピット・コーミングの上、コックピット・シート、さらに(この写真では見えないが)コックピット・ソール(床)に至るまでティーク張りという希少なフィニッシだ。現オーナーが家の建築・販売に関係していらっしゃる方のようでもしかしたらカスタマイズされた部分は知り合いの大工さんの手によるものかも知れない。

目下 [シェルバックス] を通じて販売中。興味のある人は同ページ左のコラムにある 『中古艇情報』 をクリック。

(写真はいずれもPSC製434艇中259番、艇名不詳、1983年製のフリッカです。)
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2012年2月2日木曜日

アラミダのドリーム・キャッチャー アンカー固定のアイデア

ドリーム・キャッチャーのアンカーはブルース・アンカーだ。CQR同様プラットフォームにシャンクを載せられるが、この艇ではアンカー・シャンクの両エンドをそれぞれラインで固定してアンカーをロックしている。

クラウン側(画面左側)のエンドは [トリップ・ライン] 用の孔にシャックルの付いたラインを付けて吊り上げている。



吊り上げ用ライン(画面左端のライン)はプルピット・レイル上のブロックを通り、プルピット・レイルに沿って下に向かう。

反対側から見たところ。

プルピット・レイルの根元に注目。

(写真はクリックで拡大。)



木の台座に装着されたアイ付きキャム・クリート。台座はレイル・クランプに接合されている。

降りて来たラインはキャム・クリートに噛ませてあるのでラインを下に引っ張るとアンカー・ヘッドは上に引っ張られプラットフォームに密着して安定する。

尚、キャム・クリートの左下に一度だらりと垂れたラインはデッキ上を経由してライフラインに提げたバッグに入っている(トップの写真では大小2本のライン中、細い方のライン)。このラインは錨泊時のトリップ・ラインそのものにもなるのかと想像したが、それにしてはライン収納バッグが小さ過ぎる。ラインやフロート等を継ぎ足すのかも知れない。

一方シャンクのデッキ側エンドには、ちょうど影が差して分かり難いが、大きな楔形の木のブロックが装着してある。



ブロックにはチェイン・ストッパーではないがアンカー・チェインをラインで固定できるクリートが付けてあるようだ。これでアンカーはプラットフォーム上で安定する。

***

尚、1~2枚目の写真に出ているライフラインにシャックルで掛けた太いラインは錨泊時に使うショック吸収用スナッバー。2年前の写真 [ 1 ][ 2 ] を見ると分かるが、このラインはアンカー・クラウンを通ってバウスプリット先端部クランズ・アイアンに装着したブロックを通り、デッキ方向に戻ってプラットフォームの根元を通過しライフラインに提げたバッグに入っている。

スナッバー使用時はバッグ側のエンドをフォアデッキのクリートにヒッチ、ライフラインに掛けたシャックルを外し、海底にセットしたアンカーから伸びたチェインにかけ、デッキ上のチェインを緩める。アンカーからの荷重はスナッバーを掛けたところからスナッバーに移動してクッションとなる。この艇ではスナッバーが受け継いだ荷重は全てバウスプリット前部のブロックを通過することになる。 (参考: [セレニティーのスナッパー]

(写真はPSC製434艇中261番 Dream Catcher です。)
今 Latitude38 で売りに出されている24フィート以下のセイルボート

2012年2月1日水曜日

アラミダのドリーム・キャッチャー ダウシング・ライン

ダウシングとはセイルを降ろすこと。ダウシング・ラインはハンク式のジブその他のヘッスルをコックピットから素早く安全に降ろすためのラインだ。以前 [セレニティーのもの] を紹介したことがある。

ジブを外しセイル・ロッカーに仕舞ってあるのでハルヤード(上)とダウシング・ライン(下)を相留めしてある。

ハルヤードのシャックルにフォアステイをハグさせているため両ラインがフォアステイにピッタリ寄り添っているが、ジブがハンクしてある時は無論双方ともセイル・ヘッドに装着する。





ダウシング・ラインはフォアステイと平行に引かないと効果的ではないのでフォアステイの根元に近いバウスプリット先端部にターニング・ブロックを設置。












尚、フォアステイ足元のクランズ・アイアンにはワイヤー・ペンダントが装着してある。ペンダントは今レイジーなので上端のアイに付けたシャックルをやはりフォアステイに掛けてあるが、このシャックルはジブのタックに掛ける。これによりジブのフット(底辺)はプルピット・レイルをクリアーできる。

さてダウシング・ラインはプラットフォーム上のブロックやシーブ、さらに左舷のティーク・トウ・レイル上の一連のアイを通ってコックピットへ。












ラインが白いので分かり難いが、ティーク・レイルの上を走っているのが見えるだろうか。(写真はクリックで拡大。)



サイドデッキ上のジブ・シート用シート・トラックの横を通過、スタンションのすぐ横にある最後のアイを抜け、ライン・エンドはコックピット・コーミングの側壁(プライマリー・ウィンチのすぐ下)に装着のジャム・クリートにヒッチしてある。

ジブを降ろす時はハルヤードを解放してこのラインを引く。降ろしてからラインをクリートにヒッチすれば少なくともセイル・ヘッドを抑えているのでと突風に煽られたジブが又スルスルとフォアステイを2~3フィート昇る等ということもない。後はフォアデッキへ足を運びセイルをまとめるだけだ。

(写真はPSC製434艇中261番 Dream Catcher です。)
フリッカ・ホームページで今売りに出されているフリッカ一覧