ブーム下にブーム・コントロール用の仕掛けが二つある。
下側のラインとブロックの物は言わずと知れたソフト・タイプのブームヴァング。
上側のハードウェアはブームキッカー。
ブームヴァングは帆走中(強風下で)ブームが浮いてセイル・シェイプが崩れるのを防ぐためブームを下に引っ張るのが役目。一方、ブームキッカーはブームが下に落ちるのを防ぐためのもの。ブームキッカーがあればブームのアフト・エンドを吊り上げているトッピング・リフトは不要。このためメインスルをホイストしたり降ろしたりする時、またリーフを入れたり逆に解放したりする時のトッピング・リフト調整が無用となる。
ブームを下へ上へと移動させる二つの力のバランス調整はヴァングのラインを引いたり緩めたりして行うことになるが、弱風下ではヴァングを緩めブームキッカーにブームを程良く上に押し上げさせることで、セイルのリーチ(後辺)に余裕を出して風を孕みやすくしセイルをパワーアップ、艇速を増すという様に使われる。
尚、高価になるがハード・タイプのブームヴァング([リジッド・ブームヴァング])はソフト・ヴァングとブームキッカー双方の役割を1本でこなす。
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(写真はPSC製434艇中243番 Atmani です。)
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