ダブルハンドで5月28日サウス・カロライナを出航、バミューダへ向かったが3日程経って機帆走およびバッテリー充電のために使うエンジンが不調のためノース・カロライナに寄港。
その後は東海岸をホッピングして北上(数日クルーズしては数日港に立ち寄り、好天候を待ってまた出航の繰り返し)。6月16日、クルーズの北端の目的地、カナダのノヴァ・スコーシアに到着。
これはいつの写真か分からない。
バウ・プルピットのプラットフォーム上にセットしてあるのは風の弱い時にジェネカーを張るための伸縮自在のセルデン (Selden) 製バウスプリット。ジェネカーは主にビーム・リーチで効果的な、ジェノアとスピネイカーの合いの子のようなセイル。形はジェノアのようにアシメトリカルだが、ラフはスピネイカー同様フォアステイには付いていない。
ジェネカーはアスピン(アシメトリカル・スピネイカー)に大変似ているが、アスピンはキャンバー(セイルの膨らみ)が深く、ブロード・リーチや真下りのラニングでより効果的。
伸ばしたバウスプリット先端にジェネカーのタックを固定することにより、ジェネカーとフォアステイ間にスペースができるので簡単にジャイブできる。
また、ポート(窓)のすぐ下にある、サイド・デッキ上のシート・トラックも目を引く。ステイスル用と思われる。
セッティーの背もたれの上、サイド・デッキの裏側に出たシート・トラックを留めるボルト・ナットの列。
このシート・トラック、どれほど使い出があるのだろう。もともと狭いサイド・デッキをますます狭くしている。ステイスルのシートなら、ジブのシート・トラックが使える。内側に引き込みが必要ならキャビントップのアイを通して引っ張れるはず。
バルクヘッドにはセレニティーのものと同じ [Mini Galley 2000] が見える。その右前方、コンパニオンウェイ横に出してあるのはチャート・プロッター、ノット・メーターなどをセットしたスウィング。
そのスウィングをコックピット側から見たところ。
マスト後方のシー・フッド上に設置したソフト・タイプのソーラー・パネル。
ジュビリーには風力発電機も付いているが、双方の力を合わせても諸エレクトロニクスをフルタイムで稼動させるだけの充電は出来ず、エンジンに頼らざるを得なかったそうだ。
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オーナーのウディはノヴァ・スコーシアの友人宅で長く過ごした後、シングルハンドで南下を開始。しかしサウス・カロライナ州まで帰らず、ロード・アイランド州ニューポートでクルーズを終わることにし、ジュビリーは売りに出した。
ロード・アイランド沖では悪天候に巡り合ったという。26歳のクルーがノヴァ・スコーシアで降りて、シングルハンドを試してみたが、一人ではやり切れなかったということだろうか。ノヴァ・スコーシア到達でひとつの達成感があったのかも知れない。
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尚、同時期(5月31日)にノース・カロライナからシングルハンドでバミューダに向かったフリッカ、レインジャーのチャールズは7日間でバミューダ到着。当地で約1週間過ごした後、復路は9日間で6月21日にノース・カロライナに帰着した。
(写真はいずれもPSC製434艇中418番 Jubilee です。)
⇒ Woody's Passage 今回のクルーズの写真、ビデオはこれから整理次第ボストするとのこと。
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