ハルのサイドの仕上げは塗装かジェルコート。新艇の時は無論ジェルコートだが、何年、何十年経って、塗装仕上げにする人も多い。
1997年製のバイヨ・リッチオでは前(2代目)オーナーが、 [デュポンのイムロン] を使っていた。何年経ったか不明だが、あちこちポロポロ剥がれ落ちて、落ちた部分を補修するということが繰り返されていたらしい。
そこで現オーナーは今年6月塗料を全部剥がして、プライマー(下塗り)からやり直した。
イムロンや [オールグリップ] も検討したが、結局塗ってもらった塗料はプライマーも仕上げも [アレックスシール] 。
塗布しやすい、長持ちする、補修しやすいというのがアレックスシールの売り文句らしい。
色は以前のものに合わせ、Jade Mist Green という緑。実際補修が必要になるまでどのくらい持つだろうか。
ところでフリッカ船体の塗装で時間を取るのがスクロールワーク。
このスクロールワーク、マスキングして吹き付けたのだろうか。(セレニティーでは面相筆で注意深く手塗りした。)
尚、サノマジックで使っている船体塗料はオランダ製の [エピファン] 。無論 [トトロもエピファン] だ。末四郎氏の選んだ塗料だから検討する価値がある。
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さて、古い塗料を落として新しく塗布し直すのは比較的短時間で出来、仕上がりの見栄えも良い。しかし、持ちはジェルコートが一番。ジェルコートはポリエステル樹脂である。塗料に比べ3倍くらいの厚さになるまでスプレイする(スプレイとサンディングを繰り返しながら厚みを増して行く)。最後の仕上げまでに大変な労力が掛かるが、持ちに加え、滲み出てくるような輝きは魅力だ。
沖縄の頼(たのもし)のハル改修は [ジェルコートで行った] 。ジェルコートのメンテはワックスやニューグラス2等の保護剤の塗布と、何年毎かのバフ。無論コンパウンドを使ってバフする度にジェルコートは薄くなって行くが、再塗布が必要になるまでは長年かかる。
ちなみにセレニティーは26年目。ベージュ色が殆ど白になっているが、まだファクトリー・フィニッシのジェルコートのままだ。
(写真はいずれもPSC製434艇中、433番目 Ballo Liscio です。)
⇒ フリッカ・ホームページのデータベースにある同艇の紹介