パシフィック・シークラフト(PSC)はフリッカのハルだけ、ハルとデッキだけ、等々の註文も受けていた。後はオーナーやオーナー指定のプロが仕上げる。キット・ボート(正式にはオーナー・コンプリーション・ボート)と呼ばれる。
この艇もそのひとつ。
スーパーストラクチャー(ハウス)を含むデッキは自家製の様だ。
まだ一回も進水していない。
従ってハルにブリスターは無い。
無論、1800ポンドの鉛のバラストはキールに入ったまま。
トレイラーはタイヤが欠損しているなど傷みが見られるが、手入れをすれば長距離走行も無理ではないだろう。
以下は今年3月6日、或るサイトに出された広告文。
『 父がフリッカをセイルすることなく亡くなった。このフリッカは父が自分の持っていたスクール・バスと交換して入手したもの。父は何年も前にマストを購入したものの、このクルージング・ボートはついに完成の日を見ることなく、今でもトレイラーに乗っている。何年も前の艇なのでこのまま家の庭に放置しておけば使い物にならなくなるのではと心配だ。父はリタイアしてこのボートでセイリングするのが夢だった。このボートを$400で譲ってくれという話しが来ているが、誰かもっとこのボートについて知っている人はいないだろうか。できればこの艇をリストアして、セイルしてくれる人が居ればと思っている。どこかのNPOかスクールで、リストアしたいという所があれば連絡され度。』
(写真はPSC製434艇中、番数不明、未完成のフリッカです。)
⇒ フリッカ・パッセージのページ フリッカ各艇の長距離航行記録を載せるページ (全6ページ、各ページ一番下の Next>> をクリック)。