2009年7月26日日曜日

スヌーカムスのコンパニオンウェイ

アメリカ西海岸オレゴン州からハワイまでシングルハンドしたコウビーのフリッカ 『スヌーカムス』のキャビン内、コンパニオンウェイ・ラダー(ハシゴ)。

以前に何度も書いたが、1983年終わり~1984年始め頃、パシフィック・シークラフト社製フリッカのデッキ・モールドは新しいデザインのものに変わった。その改良のひとつがコックピットからキャビンに降りるコンパニオンウェイの底辺を、コックピット・シートの上辺の高さまで引き上げたこと。







高くした部分は外から見ると両舷のコックピット・シート間をつなぐ 「ブリッジ・デッキ」 と呼ばれる部分。フリッカの場合、デッキと呼ぶにはあまりにも細い。しかし、要点は、コックピットに入った波、海水が、コックピット内に入り込むのを防ぐ、言わばダムの働きにある。

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スヌーカムスは1980年製で旧型デッキのため、このブリッジ・デッキがない。そこでコウビーは全4枚の差し板の中、下2枚分をカバーする新しい差し板を自分でこしらえ、閂型の金具で両脇にしっかり止めて、外れないようにした。この新しい差し板は航海中、ずっと差したままで、抜く予定もなく、実際抜いたことは無かったという。外洋を航海するための安全対策のひとつだ。

この写真、ハシゴの後ろを良く見ると、旧型のコンパニオンウェイの底部が見える。抜かない差し板だから、それに特製のハシゴ(階段)を作りつけてある。

ハシゴを作りつけなくても、[差し板の流出防止対策] は大切だ。旧型新型にかかわらず、上から下までどの差し板も例外なく、このように流出防止対策を施しておくことは外洋に出る者の心得のひとつだ。

(写真はPSC製434艇中148番目 snookums です。)
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