2010年2月13日土曜日

ニットノイのコンパニオンウェイ

フリッカではフォアワード・ハッチに加え、ポート(窓)が6個とも開閉できるものが多く、最後方の大型ポートがフィックスになっている艇でも前の4個は開閉できるようになっている。

したがって通風は極めて良いが、アメリカ東海岸は蒸し暑いのでさらにいろいろ工夫も必要になってくるようだ。

1984年製ニットノイのドロップ・ボード(差し板)は3枚式。真ん中の板に開閉式の黒いプラスチック製ポートを装着している。



夏場の虫対策。

ドロップ・ボードを取り払い、メイン・ハッチもスライドさせて開け放ち、いずれもスクリーンでカバー。


ニットノイは日本以上に猛烈に蒸し暑いフロリダのフリッカ。これで随分助かっているにちがいない。

写真はないが、ひょっとしたらフォアワード・ハッチ用スクリーンも用意してあるかも知れない。

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幸いなことにサンフランシスコ湾では夏でも虫に悩まされることは皆無だ。太陽が沈むとハッチやコンパニオンウェイを閉めなければならないほど肌寒くなる。セレニティーの6個の楕円形開閉式ポートにはそれぞれ外から嵌め込むタイプのスクリーンがそろっているが、今のところまだ使うチャンスはない。

(写真はいずれもPSC製434艇中281番 NitNoy です。)
フリッカ・ホームページ、売りに出ているフリッカの一覧

2010年2月12日金曜日

燃料タンクのヴェント改善策


シアトルをベースにパシフィック・ノースウェストをクルーズするフリッカ、トゥーカン。

冬でも可能な限り足を伸ばしているようだ。これはハイキングのためシアトルの西南約50マイル、ハースティーン・アイランドに係留中の同艇。










燃料タンクのヴェントは燃料をエンジンに効率良く回すため、タンク内の圧力を大気圧と同じにするための通気口だが、フリッカでは開口部がバウにある葡萄の蔦のスクロールワークの上にある。トゥーカンはそのヴェントに工夫を凝らした。












そもそもヴェント開口部がバウにあると、荒天時、艇の動き、波の動きで、そこから海水がタンクに入りやすく、そのためにエンジンが停止することがある。軽油に混じった水がある程度の量に達すると、水を燃料から分離する燃料フィルター2本(エンジンまでの燃料経路にひとつ、エンジンにひとつ)を以ってしても分離しきれないのだ。

オーナーたちはそれぞれ対策を施し、ヴェントそのものをプルピット・レイル、スタンションなど、高い位置に移動したりしている。中には海が荒れると消しゴムを開口部に詰めるオーナーもいるようだ(それでもエンジンは1時間くらい問題なく稼動するという)。

トゥーカンでは見ての通りホースのジョイント用金具の一端にエポキシを付け、開口部の穴に差し込んで装着してある。これだけでもスプレイ避けの効果はありそうだが、荒天時にはチューブ(ゴム管)を付け、スタンションの上部まで伸ばし、首を下に向けるそうだ。

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オーナーの中には開口部に金属管を付け、荒天時にはそれに長さ30cmほどのゴム管を装着し、そのまま下に垂らす人もいる。細いゴム管ならバウがピッチングで揺れて海水に浸かるようなことがあった場合、海水の力で簡単に折れ曲がり、水を通さないそうだ。

自宅にあったゴム(レイテックス)管を手で押して試してみると成る程簡単に折れ曲がる。セレニティーでは開口部に長さ約4cmの銅管を差込み、必要時に約30cmのゴム管を付けるか、あらかじめゴム管を付けてある銅管を差し込むようにしてみようと思う。

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(写真はいずれもPSC製434艇中340番目 Toucan です。)⇒Toucanホームページ ”Blog” をクリックするとアップデートが見られます。

2010年2月11日木曜日

ニットノイのドジャー

フリッカのドジャーは大きく分けて[3タイプ]。両舷のコーミングまできれいなアーチを描いた型、コックピット・ウィンチの後ろまで引く長い大型、メイン・ハッチの上だけをカバーする小型。

スプレイ避けの機能や使い勝手にそれぞれ長短があるが、このフリッカ、ニットノイのドジャーは基本的にはキャビントップ両舷ぎりぎりまでのアーチ型ながら、両舷にある三角のフィンがコックピット・ウィンチの後ろまで伸びている。













フリッカはビーム・リーチで帆走中、波がウェザー側から打ち付けると、打ち付ける場所がアミッドシップよりスターン側(船幅の一番広い場所より後ろ側)の場合、コーミング前方からスターン・プルピット・レイルの前方あたりまでの広い範囲にわたってスプレイが入ってくることがある。

そういう状況でもこれで少なくとも前半分のスプレイはカットできるだろう。

成る程と思わせるのは、後端をコーミングの外側ではなく、内側に留めてあること。






これだとさほどウィンチ操作やクリートの邪魔にもならない。









(ただ、ダブルハンドの時、クルーの背中に留め具があたらないよう、留め具をスターン・プルピット・レイル装着部の下、コックピット・シートからコーミングが立ち上がる所、ちょうどクッションに隠れる場所に取り付けた方が良さそうだ。)

フォア・デッキやキャビントップに出る必要がある場合、サイドデッキへのアクセスも何とか確保されている。



良く考えられたドジャーだと思う。

(写真はいずれもPSC製434艇中281番 NitNoy です。)
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2010年2月10日水曜日

バミューダへ

2005年5月から6月にかけ、ニューヨークの隣りニュージャージーから大西洋のバミューダまでシングルハンドで往復したフリッカ、ギャミン。

オートパイロット(ST2000)を友にバミューダへ航行中。片道約700マイル。





オーナー本人の弁「オートパイロットをコックピット・ロッカーのあるスターボード側に付けたのはマチガイ。オートパイロット使用中はロッカーの開閉が制限される。」

バミューダの入国管理港、セイント・ジョージの夕焼け。








コータジー・フラッグのバミューダ旗をマストに掲げるギャミン。

"Biggest little boat in the harbor."




本人がこの航海で得た経験。

(1) 航海のために新調したストーム・セイル(赤/オレンジ色のセイル)は役に立たなかった。そもそもストーム・セイルは嵐の中でヒーヴ・トゥーするためのものだが、マストを超える波高の嵐の中、このセイル1本でヒーブ・トゥーしようとしたができなかった。これはヘッスルをすべて降ろしていてもフリッカのバウが高いためそこに当たる風にバウを押されるからだ。フリッカでヒーヴ・トゥーするにはダブル・リーフしたメイン1本がちょうど良い。



このストーム・セイルの使い道があるとすれば、シー・アンカーを使ってラインガハルでストームを乗り切ろうとする場合だろう。

(2) 同じく新調したストーム・ジブ(写真に見える白いセイル)は上りでは役に立たなかった。作った目的はヘッスル2枚(ジェノア+ストーム・ジブ)のカター仕立てにして、パワーアップすることだった。フリッカでは上りの場合、メインを含んだセイル全体の面積の中心(CE)ができるだけフォアに行くようにする必要があるが、ヘッスルを2枚にすると上れなくなってしまう。無論ジェノアを畳んでヘッスルをストーム・ジブ1枚にしても上れない。上りではジェノアを使うしかない。

カター仕立てはビーム・リーチ(アビーム)や下りでは問題なく使える。

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今年2010年はフリッカ3~4艇が東海岸からほぼ同時期にバミューダ往復を計画している。

(写真はいずれもPSC製434艇中284番目 Gamine です。)
USヤフー!フリッカ・グループ

2010年2月9日火曜日

2010年シェイクダウン・セイリング (Videos)

SF湾の冬はオフ・シーズン。雨が降り、風はなく、週末も艇のメンテに励む季節だ。ところが2月に入って早くも春めいた日が見られるようになって来た。

2月7日(日)、快晴。風もほどほどで、昨年11月15日以来ホイストしていなかったセイルを揚げ、風を通すには絶好の日和。



メインをフルに揚げた途端、約半カップの水がセイルのフット(ブームに沿った部分)からキャビントップに落ちた。これが本当のシェイクダウン。しかしその水も暖かい太陽の光と程よい風に瞬く間に蒸発してしまう。この日、セイルボートだけでも12杯以上が久しぶりの好天を楽しんでいた。



セレニティではリグその他、異常なし。約8ノットの風の下、タックや360(タックから引き続きジャイブして360度方向転換)のルーティーンもスムーズに進行。艇とともに久しぶりの帆走を楽しんだ。今年も長いシーズンに恵まれそうな気がする。

(ビデオはいずれもPSC製434艇中295番 Serenity です。)
日本のヤフー!フリッカ・グループ

2010年2月8日月曜日

一年に一回


マリーナにあるヨットクラブのハウス内での説明会の後、駐車場に集まった60人くらいの男女。





2月7日(日)、艇に常備していたが、未使用のまま期限切れになってしまった救難用シグナルを有効活用するための毎年恒例のトレーニング日だ。

期限切れの救難用シグナルを持ち寄って、駐車場の南端、海面に近い場所にぞろぞろ移動。





5つのグループに分かれて、これからいわば試し撃ちを行う。








それでは短いビデオを2本。



画面奥でデモ中のオレンジ色の発炎筒は昼間だったらかなり視認される可能性は大。本日はテストしなかったが、海面を染めるダイも同じように効果的かもしれない。日中は鏡を使って反射光を救助機・船に向けるのも効果があるそうだ。

手前のグループ、第一弾目、赤いピストル型ローンチャー(12ゲージ)を使ったシグナルは赤い炎を出して燃えるが、到達高度は最高500フィート(170m弱)、海面に落ちるまでたったの7秒間。実際に見ていると上がったかと思うとすぐ落ちるほどの短さ。探している方にしても、「ん?何か見えたような」としか思えないほどなので、この種類のものは一発目が海面に落ちたらすぐ二発目でフォローするのが原則になっている。昼夜兼用となっているが、昼間の視認性は低い。



7秒間は短い。しかもこのように殆どが燃え尽きる前に海面に落ちてしまう。

第二弾目、白いピストル(25mm)を使ったシグナルはパラシュート付き。高度約 300m に達したところで赤い火がつき、ふわふわとゆっくり降下しながら約30秒燃え続ける。外洋では最低このレベルのものが必要。(注:白いピストルでも赤いピストルと同じバーン・タイム7秒間のシグナルを打ち上げる場合もある。)

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しかし、打ち上げ型シグナルとしてはロケット・ローンチングのパラシュート付きのものが一番見やすかった。最低40秒燃え続ける。海面に落ちるずっと前に燃え尽きるが、これなら広い海の中でも気付いてもらえるのでは、と希望が持てるような製品だ。高価だが役に立ってこそのシグナルだ。ロケット・ローンチャーのパラシュート付きシグナルの例は [このページの一番下] を参照。

この他、写真のテーブルの上にも多数並んでいる赤い炎の出る手持ちシグナル(ピストル型やロケット型のローンチャーで打ち上げたシグナルを救難機・船が確認できた後、引き続き自分の場所の目印として燃やし続けるのが目的)のテストもあった。バーン・タイムは1本1~3分と物によってちがう。手持ちシグナルは最低でも12分間分は準備しておく必要がある。[詳しくはこちら]

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セレニティーには打ち上げ式のものは赤いピストル型(12ゲージ)しかない。SF湾や沿岸でのセイリングには良いが、オフショアには白いピストル型(25mm)のパラシュート付きシグナルが必要になる。できればロケット型のパラシュート付きを準備したいな、などど考えながら、天気が良く風も8ノットほどあったので今年最初の帆走をすべく艇に向かった。

(写真・ビデオはいずれもシエラ・ポイント・ヨットクラブの面々。)
すべてメンバーのボランティア活動で成り立っているシエラ・ポイント・ヨットクラブ

2010年2月7日日曜日

リストア開始

コックピットのないフリッカのリストア開始。

これはリストア前のコックピット下のスペース。スターボード・クォーターを望む。







リストア前のポート側。コックピット・コーミングに装着した分厚い板。これがフラッシにしたコックピットを支える基盤になっている。













中央部。取り外し可能な板を置くことでビルジへのアクセスは確保されていた。















コンパニオンウェイ底部の詳細。構造的にはもちろん、トリムも生半可ではなかった。






リストア開始。コンパニオンウェイのトリムやバルクヘッド下部を取り払う。






バースにするにも十分な、ボリュームのあるスペースが作られていたことが分かる。





コンパニオンウェイのビームも切り取った。コックピット・デッキのカットも進行中。






下から見たところ。

この後、コックピットがどのようにリストアされるのか、興味深い。



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尚、エンジンなしの自作ヨットで世界中をセイルし、多数の著作もあり、セイルボートによるクルージングの神様のように尊敬されているリン・パーディーとラリー・パーディー夫妻(Lin and Larry Pardey)の1983年進水の現所有艇タレイシン(Taleisin)にも [コックピットはない] 。下のスペースはクルージング用の収納や腰掛け式シャワー・スペースになっているという。

夫妻はタレイシンで既に8万マイル以上、以前の艇セラフィン(Seraffyn)などでの航海を含めると計20万マイル以上の航海経験を持つオールド・ソールトだ。コックピットをデッキにしたこのフリッカの以前のオーナーがリンとラリーに会い、タレイシンを見て参考にした可能性は大きい。(リンとラリーは今でも西海岸をはじめ北米各地で良くセミナーを開いている。)

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(写真はいずれもPSC製434艇中、番数不明、1980年製フリッカです。)
⇒進展状況は逐次 [ここで見られる]