2009年5月7日木曜日

細くて強いダイニーマ

フリッカ・ホームページの管理人アンガス・ベア-ズのフリッカはPSC製423番艇。



地中海をシングルハンドで駆け巡るアンガス。



ダイニーマ (Dyneema) は素材のトレードマーク。ジェル状のポリエチレンをスピンさせてファイバー(繊維)を作るその方法が特許になっている。この方法で作られたファイバーは「強度は鋼鉄の15倍、伸びない、摩擦に極めて強く、紫外線、湿気、化学薬品にも強く、水よりも軽い、云々」と、ハルヤードにはまさに打って付けの、夢のような素材だ。ヘルメットなど他の製品にも使われている。

ダイニーマをつくっているDSM社のサイトは [こちら]

ライン(ロープ)自体はニューイングランドロープ社その他で作られているが、値段が特別高いわけではなく、近年ハルヤードを交換する人は殆どこの素材のものを選んでいるようだ。

(写真はPSC製434艇中423番 Caraway です。)
Caraway Home Page

2009年5月6日水曜日

シアトルのシークラフト・ヨット

このフリッカは昨日のすばらしいコンディションのキット・ボートの横に見えていたファクトリー・フィニッシのフリッカ。



1981年製。80年代のトレードマーク、楕円形のブロンズ製ポートが付いている。



シークラフト・ヨットのセールス・ドックに係留された同艇。外観だけだが手入れも悪くなさそう。スターン・プルピットは80年代前半の一段式。83年以前の艇なのでブリッジデッキはなく、コンパニオンウェイの切り込みが深い。

興しろいのはラダーに付けられたトリム・タブ。この写真ではその全容が見えないが、トリム・タブはラダーの後ろに装着した小さなラダー状のもので、主にウェザーヘルムやルーヘルムを打ち消すために使う。(ウィンドヴェインの付いた艇ではトリム・タブを使って舵取りをするものもある。)



このフリッカの登録はMEで始まるから東海岸のメイン州。オーナーの引越しのため大陸を横切ってシアトルに来たと言う。そのオーナーがまたメインに引越すために売りに出されたそうだ。

見てのとおり、シークラフト・ヨットのドックはフリッカを始めPSC艇であふれている。シアトル一帯(パシフィック・ノースウェスト)はPSC艇が多いが、新艇の殆ど全部がここで販売されたもの。無論このように次のオーナーを待っている艇も多数。

シアトルは日本から一番近いし、成田あたりから一っ飛びしてボート・ショー感覚の週末(+マリナーズ?)を過ごすというのも良いかもしれない。

日本のフリッカ・オーナーにはここを通して輸入した人もいる。

(写真はPSC製434艇中、番数艇名未確認、1981年製のフリッカです。)
www.yachtworld.com SEARCH ボタンの上の欄に Flicka と入力、検索するとリストアップされます。

2009年5月5日火曜日

キット・ボートのイクステリア

これは昨日インテリアを見たフリッカ。



1979年製とは思えないほど艇の状態が良い。整理整頓されたラインも、メンテやアップデートがしっかり行われているウッド、ドジャー、セイルカバー、バルクヘッドにある計器類も、すべてオーナーの性格を伺わせる。こういうセイラーならいつでも安全で楽しいセイリングをしているにちがいない。

ちなみにポート側の隣の艇もフリッカ、また奥に写っている艇もすべてPSC製のヨットだ。それもそのはず、ここはシアトルのPSCディーラー、シークラフト・ヨット社のドック。

尚、シークラフト・ヨット社はPSCが東海岸に移る前、デイナ24の製造も引き継いでいる。(以来もう1年以上になるが、実際に何杯製作したかは不明。)



スターン・プルピットの上に付けてあるのはバーベキュー・グリル。このフリッカは1979年製であるにもかかわらず、スターン・プルピットは1980年代後半からの2段式を使用している。これもアップデートで、後年、付け替えたものと思う。

カバーが被っているが、ティラーの上をクロスするように仕込んであるのはメインシート・トラベラーだ。通常1979年製など初期のフリッカでは、プルピットの真ん中部分だけが2段式になっており、下のステンレス・パイプを使ってトラベラーにしている。

船外機は4ストロークのホンダ8。コントロールは船内機の場合と同様にコックピット内にあり、操作は簡単という。(後記:船内機用に使っていたものを流用。)

すぐ奥に写っているのはPSC31かと思ったが、ポートの数(4個)からデイナ24。

(写真はPSC製434艇中、番数艇名未確認、1979年製のフリッカです。)
フリッカ・ホームページ

2009年5月4日月曜日

キット・ボート

俗にキット・ボート、正式にはオーナーが完成させる 『オーナー・コンプリーション・ボート』。

沖縄の頼丸もそうだが、オーナー・コンプリーション・ボートには、特にキャビン内のレイアウト、造作などユニークなものが多い。

本日の写真のフリッカは、ハルとデッキだけPSCから購入、インテリアは全部プロに依頼して造ったものだそうだ。

通常セッティーにあるところには向かい合って座れるテーブル。場所を取る個室ヘッドはない。





文字通りのV字型切り込みのついたVバースも目を引く。

天井はウッドの張り込み。










トリム、ビーム、ポストはティーク () だが、天井そのものはアッシ、バーチ、メイプル、ファー、イエロー・パイン、それともレッドウッド?(**

マストの下部分には両舷ともバルクヘッドとポストが品良く仕込まれている。







ギャリーのアレンジはオーナー好みで、前に行くほど細くなる船幅のちがいを考慮して、大きめのシンクをアフトに、2口コンロはフォアに置いている。

ヘッドはポータ・ポッティ(簡易トイレ)だという。クォーター・バース、または、テーブルの下、フォアのベンチの中にあるのかも知れない。

***

後記: PSCは1978年にフリッカを造り始めた当初からおそらく1983年頃までは、オーナー・コンプリーション・ボートを販売していた。完成度はオーナーの注文によって、ベアーのハルとデッキだけ、という状態から、いろいろ段階があったという。

完成艇の場合でもレール、ハッチ、コーミングの上などをティークにするか否かを含め、リグのタイプ、エンジン、ポート、クリート、セイルなど幅広いアイテムについてオプションがあり、さらに1983年後半くらいからデッキ・モールドのデザインや内装の変更、バックステイのコンフィグの変更などが加えられたため、フリッカにもいろんなフリッカがいる。

***

後日註: トリム、ビーム、ポスト等はティークではなくホンデュラス・マホガニーだという。
** 後日註: 天井の張り込みに広く使われている板はファー(モミ)だそうだ。

(写真はPSC製434艇中、番数艇名未確認、1979年製のフリッカです。)
フリッカ・ホームページ

2009年5月3日日曜日

フリッカ @ ポリネシア


このフリッカはパシフィック・シークラフト (PCS またはPSC と省略される) のリーフレットに掲載されたムーリアに停泊中のアルスビッド。


(PSC リーフレットは [こちら]

アメリカから南太平洋、フランス領ポリネシアを訪れたフリッカたち:
(1)  カワバンガ!
(2)  ティカロア
(3)  ライ・ルー

他にも Betty Jane、Elea、Windward Pilgrim など少なくとも3杯以上の初期フリッカが南太平洋までクルーズしている。

(写真はPSC製434艇中007番目 Alsvid です。)
フリッカ・ホームページ

2009年5月2日土曜日

セレクティッド・リスクス

セレクティッド・リスクス = 自分で選択したリスク、とはこのフリッカの名前だ。このフリッカも南アフリカ生まれ(1993年~1994年)。

プロファイルでは特徴のあるキャビントップが目に付く(コンパニオンウェイ・ハッチの部分が盛り上がっている)。




これだけで全体の印象が随分変わるものだ。背が高くなった影響で艇も全体的に小さく見える。

船外機はヤマハの5馬力。









フリッカは普通180cm位までならキャビン内に立てるが、この男は身長2メートルはありそうな大男。キャビントップは見てくれはともかく、体に合わせたのだ。

バックステイは左右に1本づつ、計2本。トランサムに小さなバンプキンをつけて艇外に延ばしてある。スターン・プルピットはブーム・ギャローズにも使えそうなホース(馬)型。

南アフリカ製フリッカは各舷3本づつのシュラウド用チェインプレートの設置間隔が大きい。






バウにプルピットはない。バウスプリットは前方に突き出している部分だけでPSC製より30-40㎝は長い。装着法は昔の帆船と同じだ。デッキ上にも長く伸びている。

ハルは以前出てきた南アフリカ製フリッカの自作艇2杯と基本的に全く同じ。
(1)  ピノッキオ
(2)  キャビンのないフリッカ

木をメタルでカバーしたようなバウスプリット。










バウ両舷に SR セレクティッド・リスクス と書かれたこのフリッカ、実はシングルハンドで [世界一周に出発] したが、出発後日も浅い中、バッテリー充電用のガソリン発電機から火事になり、火傷を負い、消火器からの粉末の臭いが充満したキャビンにも戻れなくなったので、航海を続けることを断念せざるを得なかった、という経歴を持っている。(発電機が稼動中に燃料のガソリンを発電機のタンクに注ぎ足そうとした全く基本的な過ちが原因。)

その当時のキャビン・トップには大男用の嵩上げは見られない。ヘッスルも2枚のカター・リグ。(今でもリグはあるようだが、イナー・ジブはセイル・ロッカーにしまい込まれているようだ。)

(写真は南アフリカ製フリッカ3号(?)艇、Selected Risks です。)
フリッカ・ホームページのフリッカ登録データベース

2009年5月1日金曜日

自作ドロップ・ボード

このフリッカはブリッジ・デッキがなく、コンパニオンウェイが低く切り込んであるデザインであること、スライディング・ハッチが旧型であること、などから1983年以前に造られた艇であることが分かる。

ドロップ・ボードは直訳すると落とし板、つまり差し板。ウォッシ・ボード、洗濯板と呼ぶ人もいる。

このドロップ・ボード、通気を考えて、真ん中が開くようになっている。





一番下のボードには明り取り+コックピット観察用のポート(窓)が付いている。しかしコンパニオンウェイを完全に閉める時はどうやるのだろう。真ん中、縦のつっかえ棒を外し、外へ出した庇、実は横になった真ん中のボード(?)をちゃんと差すのだろうか。

上のボードの上には余分の一枚(?)が付いている。これは艇を離れる時は外すのではなかろうか。そうでないとボードをハッチにロックできないように思う。

ではこの一枚、いったい何のために付けてあるのか。ボードを全部外した時、何かの仕掛けでボード三枚+この一枚をつなげるようになっており、一番上のハンドル部分を握って簡単に持ち運ぶのが目的か。

***

左舷側バルクヘッドに付けた自作オーガナイザーが興しろい。その上につけたセルフ・テイリング・ウィンチは大は小を兼ねるとばかり、ハルヤード用には過分なほど大きい。

コックピット・コーミングの上、またラザレットのフタにもティークのトリミング。コックピット・ソール(床)の上もティークのグレイトが置いてあるようだが良く見えない。いずれにせよ、ファーバーグラスの白とウディーなティークがマッチして心地良さそうだ。

(写真はPSC製434艇中079番目 Baby Grand です。)
USヤフー!フリッカ・グループ