ティー・カップではギャリー・シンクにある清水用の手動ポンプが壊れていた。現オーナーO氏はこれを機に使い勝手などを考慮の上、蛇口を捻れば水道同様に水が出てくる様、清水タンクから水を汲み上げる12V電動ポンプを装着された。
ギャリー・シンク下のスペース。
まずコイル状の通線の先にスポンジを付け、ホース内の水垢などによる配管詰まりや汚れを除去。
クォーター・バース下の清水タンク。
PSC製後期艇にはこの様にタンク内視察用インスペクション・ポートがある。タンク内の水量を簡単に目視できるようにポートのキャップも今回この様に透明なものに交換した。
(前期艇では画面右下に見えるブロンズ製の蓋の付いた注水用孔のみが有る。)
シンク下のスペース、アフト側の壁に当て板を付け、電動ポンプをネジ止め。
左下の白いホースがタンクからのホース、右の水色のホースが蛇口に繋がる。
ポンプ上部からの電線はコンロ下にある引き出し等の付いた収納ボックスの下を通り、清水タンク横(インボード側)のスペースを抜けてエンジン・ルームの左舷側壁に至る。(アイスボックスからビルジに至る排水用配管とほぼ同経路。参考までに [セレニティーの配管写真] を参照され度。)
エンジン・ルームの左舷側壁。
既存の2個の孔の中、下の小さい方の孔から出ている2本の黒い線。その太い方が当該の電線。電線は当エンジン・ルームからさらに左舷側バルクヘッド内を上に昇って配電盤に繋がる。
バルクヘッドの配電盤。
O氏はハンド・ヘルド(ハンディ・タイプ)のVHF愛用のため、艇固定のVHFは使わない。そこで固定VHF用スイッチをギャリー・ポンプ用として利用することにした。
配電盤を開けて見た配電盤裏側の配線。
画面下辺、中心より今少し右側からカーブを描いて入って来ている黒い線が今回のケーブル。そのケーブルから出ている白い線が陽極(+)線、黒い線は陰極(-)線。陽極線は下から2番目のVHF用スイッチ陽極ターミナルに接続。陰極線は左列上から2番目のグラウンディング(アース)ターミナルに接続。
コンパニオンウェイ横にあるバッテリーのマスター・スイッチをオンにし、配電盤のポンプ用(VHF用)スイッチもオンにした状態でこの蛇口を捻ると水が勢い良く出て来る。
尚、ティー・カップには海水用の手動ポンプ(画面左側)も付いている。食器等の下洗いにはシンクに張った海水を使い、仕上げには蛇口から流れ出る清水を使用。
電動ポンプの代わりにフット・ポンプも検討したがギャリー壁にペダル用の孔を開けなければならないこと、また出す水量の加減が難しいのではとの懸念から電動にした、との事。電動ポンプ利用の蛇口は水道の様に水量を微妙に調整しやすいので清水を必要以上に使ってしまう事もない。なかなか使いやすそうなシステムの完成だ。
(写真はPSC製434艇中421番目 tea cup です。写真・解説提供: オーナーのO氏。)
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