フリッカのコックピットは20フィート艇にしては大きい。デイ・セイルには良いが、外洋を長期航海するには大き過ぎると言っても良い。それをそのまま24フィート艇に引き写すのは好ましくない。
アリグラではその点を鑑みて、艇全体に占めるコックピットのプロポーションは保ちつつ、安全性、および使い勝手の点から種々考慮がなされている。
浅いコンパニオンウェイ、幅広いブリッジ・デッキ、ミッド・ブーム式のメインスル・シーティングにその考えが反映されている。
スターン側にもブリッジ・デッキがあり、四方をラザレット(ロッカー)に囲まれたコックピットのソール(床)部分はクルージング艇らしく程良くダウンサイズされており、荒天時の追い波などでコックピットを大量の水が襲ってもコックピット内に残る水は限られる。
フリッカの様に効率の良い排水システムがあれば冠水やコンパニオンウェイからキャビン内への浸水の心配は無用だ。
(無論差し板が流されないように処置しておくことは肝要)。
すっきりし過ぎている嫌いのあるキャビントップ。
メインスルのリーフ作業時、足場ともなる手摺りをキャビントップ両舷に付けるべきだろう。
(写真はフリッカの兄弟艇アリグラ中の1艇 Ruscoe です。)
⇒ フリッカ・ホームページの歴代カバー写真